2016.12.19
脊柱側弯症について
以前にも脊柱側弯症についてご説明させて頂きましたが(詳しくはこちらをクリック)今回は、実際にご来院されている患者様についてご紹介させて頂きます。
女子中学生で学校の検診の際に学校医のドクターに側弯症の疑いがあるとの事で近隣の整形外科を受診しレントゲンを撮り側弯症と診断されました。特発性脊柱側弯症は思春期の女性に多いとされていますので、中学生前後に発見されることが多いのですが、最近の学校検診では小学4年生くらいから指摘され医療機関を受診される事も少なくありません(それだけ昔の検診よりもいろいろな意味で大変になったんだと思います。見落としなどがあった場合等大変でしょうから…)
10代半ばは骨が成長し伸長が伸びる成長期ですので、通常は縦方向に背骨が伸びるはずですが、側弯症の場合は骨が曲がった方向に伸びてしまい変形をきたします。変形はある程度完成してしまってから矯正する事は難しいため成長の途中で専用の装具などを装着し矯正・進行を遅らせます。 原因は不明となっておりますが、特発性側弯症は上記でもお伝えしたように思春期の女性に多いとされておりますので、その点からも学校検診の中の項目となっているのだと思います。以上の事から側弯症にとって重要な事とは、なるべく早期に発見・治療する事です。
検診でレントゲン検査を受ける様通知が来た場合は必ず整形外科へ受診して頂く事が望ましいと思います。検診以外で、日ごろからチェックして頂きたい点が何点かございます。
1つ目は、伸長を気にする事です…定期的に伸長を計測し一定の間隔で伸びていたのが途中で止まったりした場合は注意が必要です。骨は成長しているが縦方向ではなく曲がった方向に伸びてしまっている可能性が考えられます。
2つ目は前屈した時の背中の盛り上がりのバランスをみる事です…これはリブ・ハンプ(rib hump)といって脊柱(背骨)が回旋(捻れ)していたり曲がっていると左右の肋骨のバランスが崩れ、盛り上がりが観察された場合、側弯症である可能性が高いです。(前屈位でゆっくり戻していき背中から腰の辺りまで観る事が大切です)
写真の患者様はダブルカーブといって胸椎(背中)の高さで弯曲があり腰椎(腰)の高さでもう一つ弯曲が反対方向にあります。
今回、お伝えしたい事は、
側弯症というものがあるという事
側弯症は早期発見・早期治療が大切という事
側弯症はご自宅でもチェックする事が可能という事 です。
次回は、側弯症と診断されたが、何に気を付ければ良いのか・何をしたらいいのかをご説明させて頂きます。
側弯症でお困りの方は当院へお気軽にご相談下さい
他にも、肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.12.15
吸玉・カッピング治療
本日、左背部(背中)を中心に張り感・痛みを訴えて来院された患者様がいらっしゃいました。
その患者様は、以前にも同様の症状で辛い思いを何度か経験されているそうで、以前にもカッピング(吸玉)治療を受けたところ症状が軽減した経験があり今回も同様の治療を受けたいと当院へ受診下さいました。
ちなみに今回は朝、起床時に起き上がりの動作の際に傷めてしまったのが原因として考えられるとの事でした。
整形外科疾患・運動器疾患で背部の痛みが考えられる事としては、背部の筋肉が緊張する事により痛む以外にも、頚(首)の神経が圧迫されて背部に走る様な神経痛や関節部分に炎症が起き、その関連痛としても背部に痛みが出るケースもあります。 頚からの影響で痛みが出ている場合は、Jackson testやSpurling testなど頚椎を上から圧迫するように圧をかけた際に背部に痛みが誘発されるのでその場合は頚椎を中心に治療をすすめていきます。
この患者様は、そういった徒手検査にて明らかな頚からの所見はみられず(±)半々といった感じでしたので、頚からの影響も考えつつ、背部の筋緊張を落としていくような治療プランをご提案させて頂き、その方法の一つとしてあげたのがこの吸玉(カッピング)です。
吸玉は血液循環の悪い場所ほど痕(あと)が黒く残りますので今回は左背部が一番色濃く痕が残りました。この後も何度か続けているうちに徐々に色の変化がみられ症状も軽減していきます。(何回か吸玉治療を行い症状の残存が強ければ鍼(はり)治療なども必要となるかもしれませんが…)
ちなみに大昔から用いられている治療方法の一つでヨーロッパでも盛んに行われていたそうです。ここ最近で有名になったのが、水泳のマイケル・フェルプスが治療を受けている事で話題になりましたが…(詳しくはこちらをクリック)
スポーツ選手の疲労回復だけでなく張り感や凝り・痛みでお困りの方は一度、吸玉治療をお受け頂く事をおすすめ致します。
肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.12.10
腰痛のほとんどは腰だけが原因ではありません
タイトルにも書いてありますが腰痛は腰だけが原因というわけではなく、身体の他の部分に原因が隠れている事があります。 整形外科など医療機関を受診した場合は必ずドクターが診察・検査し、臨床所見も含めて最終的に診断名がつきます。 (腰椎椎間板ヘルニア(LDH・HNP)や筋筋膜性腰痛症・脊柱管狭窄症・変形性腰椎症・脊椎分離症など)
私は半年前まで、計7年ほど整形外科のリハビリスタッフとして勤務させて頂いておりましたが、まず医師に診断され、医師より指示があった患者様がリハビリを受けられます。
リハビリスタッフは必ず、病名(診断名)を確認しその病名に対しての治療を行います。その際、医師の診察とは別にリハビリスタッフが再度、症状や訴えを確認し所見をとらせて頂いてからリハビリ開始となるのが一般的です。当然だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、病名が全く同じ患者様でも症状までもが全て同じという事はなく人それぞれ身体の特徴があります。ですのでリハビリスタッフからしたら病名はその患者様の症状の総称ととらえ、そこから細かくみさせて頂く事で原因が分かるものだと思います。(実際には厳密にいうと腰痛の原因は分かる事の方が少ないのですが)
よくある腰痛患者様の身体の特徴的な部分としてあげられるのが、腹、背筋が弱い・腰椎の動きが悪い・骨盤の動きがかたい(前・後傾等)・骨盤の歪みがある(特に産後の方)・股関節の可動性が悪い・大腿部の筋肉が硬い(左右差が大きい)・膝関節や足関節の制限がみられる…など
これら以外にも原因と考えられるものもありますし上記の中でも更に細かくどこが硬いのか・どこがどの方向に歪んでいるのか等を身体全体としてみさせて頂く必要があります。
ですので単に腰が痛いから腰だけを治療するというのは間違いではありませんが根本的には改善されない事もあります。 (なかには下肢のストレッチだけやっていれば腰痛が治る事さえあります)
当院では、腰痛だから腰だけの治療をさせて頂くのではなく、まず問診・各徒手検査等をしっかりと行い身体全体の硬さや動きを確認し原因を究明しそして患者様にもご自身の身体がどのような状況で、どのような原因で痛みが出ているのかを理解し知って頂く事が重要だと考えております。
そうする事でより治療効果が高まり、痛みの予防にもつながります。
長年の腰痛でお困りの方は是非、当院へ受診下さい
他にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.11.30
耳鳴り・難聴など耳の症状には鍼(はり)治療が有効です
めまい・耳鳴り・難聴というとメニエール病という疾患が思い浮かぶ方もいらっしゃるとは思いますが、なかなか症状が良くならずお悩みの方も多いのではないかと思います。
耳鳴り・難聴の症状がでた場合、大半の方がまず耳鼻科に受診されると思います。そこではっきりとした病名・原因が分かれば治療し改善すると思いますが検査をしても異常が見当たらず、「肩の凝りが強く血液の流れが悪くなっているから・精神的なストレスからきています」と説明され整形外科を受診された方を病院勤務時代にはたくさんみさせて頂いておりました。しかし、それでも症状が中々改善されない場合が多く半ば諦めてしまう方もいらっしゃいました。
タイトルにも書かせて頂きましたが、耳鳴りや難聴などの症状には鍼(はり)治療が有効とされています。その理由としては、首や肩の筋肉の凝り・張り感・緊張が強くなり首から頭・耳の周囲の血流が悪くなり、精神的なストレスを感じ自律神経のバランスが崩れてしまう等の症状は鍼(はり)治療でアプローチできてしまうからです。 (古来より代々受け継がれている経血(ツボ)の中にも同症状に効くツボがいくつも存在しております)
治療方法は、肩から頚・側頚部や耳の周りにあるツボ(耳門・聴宮・聴会など)・自律神経系の乱れを調節してくれるツボ(頭や手にあります)に鍼(はり)治療をします。 鍼というと不安に感じる方もいらっしゃるとは思いますが、深くまで刺さなければいけない訳ではないのでほとんど痛みを感じずに治療をお受け頂けると思います。
当院では鍼治療と併用して、自律神経の調節に有効とされる星状神経節部へのレーザー照射(詳しくはこちらをクリック)や円皮鍼(こちらをクリック)を行う事でより症状が改善・持続するように治療させて頂きます。先日も女性の患者様がそのような症状を訴えられご来院され、治療後には少し変化がみられたとおっしゃって下さっていました。中々改善されない症状ですので治す事を諦められた方もいらっしゃると思いますが当院で一度治療をお受け頂く事をおすすめ致します。
治療回数は個人差があり1回で良くなる方もいますが5回~10回くらいを目安に受けて頂くと効果がでるといわれております。また症状が強い方や初めて同症状が現れた方は一度、専門家である耳鼻科を受診し、耳鼻科での検査等を受けて頂いてからご来院される方が安全かと思います。
耳鳴り・難聴以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.11.29
円皮鍼(えんぴしん)というものをご存じですか?
円皮鍼(えんぴしん)または皮内鍼(ひないしん)・置き鍼(おきばり)というものをご存じですか?
まず始めに私がオススメする円皮鍼はこちらです
通常の鍼は短くとも数㎝の長さですが、この円皮鍼は1㎝に満たないほどの長さですから鍼が怖くてできないという方にも抵抗なくお受け頂けると思います。(当院では0.6㎜を主に使用しています)
円皮鍼に関する最新記事はこちら
円皮鍼ってどんな効果が期待できるの?
円皮鍼の短い鍼ぐらいでは何も変わらないのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、皮膚の直下には痛みを感じる受容器(自由神経終末)が存在し、そこに鍼刺激を与えると痛みが緩和し筋肉の緊張を和らげてくれる効果が期待できます。また、経穴(ツボ)に刺す事でより効果的になり他にも様々な症状を抑える効果も期待できます。
使用例としては、慢性の肩こり・腰痛・各関節の痛みを和らげるだけでなく、頭痛や生理痛・喘息・耳鳴り・便秘等の症状でも使用します。
ちなみに…
フィギュアスケートの羽生選手や横綱・白鵬関なども使用しているそうでスポーツ界でも多くの選手に愛用されているそうです
円皮鍼と通常の鍼の違いやメリット・デメリットはあるの?
円皮鍼についてここまで簡単にご説明させて頂きましたが、鍼灸院で受ける鍼治療と円皮鍼には違いがあるのか、それぞれの特徴(メリット・デメリット)についてご説明させて頂きます。
メリット | デメリット | |
通常の鍼 | ・深部の筋肉にも鍼が届き強い痛みや筋肉の張りが解消される ・同時に電気を流したり、鍼を動かす手技を行えるため症状の軽減が早く即効性や直後効果が高い |
・院内での治療のため刺しておける時間が限られる |
円皮鍼 |
・刺す時の痛みが無く(ほぼ無痛)初めての方も安心して受けられる |
・鍼治療よりは直後効果、即効性が低い |
まだ他にもあるとは思いますが、大まかにいうとこのような違いになりますが、一番良いのは併用することだと思います。
例えば、腰痛や肩こり・頭痛がひどい時は当院に受診し鍼(はり)・灸(きゅう)治療をし、次回来院までの間は円皮鍼をすることで『治療効果を持続させ症状悪化を防ぐ』という様な流れが痛みや症状をコントロールするのに最適だと考えます。
貼り方は簡単…
まずは貼りたい場所(患部)をアルコール消毒
(エタノール等をコットンやティッシュに付け患部を拭く)
円皮鍼を容器から取り出す
白い紙テープの部分を持ち剥がす(不器用な方はピンセットを使うと便利です)
片面のシールを剥がして刺したい場所にフワッと置く(この時点では鍼は刺さっていません)
しっかり垂直に鍼が刺さるよう真下に向かってデコピンをする様な形で刺します
そこからもう片面のシールを剥がしておさえる
貼り終えた後、チクチクしたり違和感がなければしっかり貼れています
円皮鍼は何日貼っておけるの?
円皮鍼は何日貼っておけるの?と聞かれる事が多いのですが鍼灸師の資格を持つ先生や治療院によって多少異なりますが、当院では衛生面もふまえ長くても1週間までとさせていただきます。やはり短くとも皮膚の下まで刺さっておりますので、感染等も絶対に起こらないとは言いきれません…(使用方法を極端に誤らなければ基本的には何もありません。)
季節やその方の体質(汗っかき等)、置かれている環境でも多少異なりますが、シールがベタベタとしてきたら直ぐに剥がしましょう。
慢性的な肩こり・腰痛・つらい頭痛・女性の生理痛など婦人科疾患等様々な症状・疾患に効果的だと思いますので、そのような症状でお困りの方は当院へお気軽にご相談下さい。
円皮鍼以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
お願い!!
当院はInstagramでも身体に関する内容を中心に投稿しております。当記事が少しでもお役に立てたのであれば是非フォローして頂けると幸いです。こちらから直接ご連絡する事はありませんが、何か気になる事やご相談事がありましたらメッセージにてお気軽にご連絡下さい
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