2021.02.20
円皮鍼の貼り方や効果を1から徹底解説。自宅でできる鍼治療
円皮鍼の貼り方や効果を1から徹底解説。自宅でできる鍼治療
円皮鍼というものを皆さんご存知ですか?種類や多少の形状の違いで、置き針や皮内鍼とも呼ばれますが、これらは直径1㎝程のシールの真ん中に細く短い鍼が付いているものを身体の痛む部分やツボに貼る(刺す)事で痛みや身体の不調を緩和させるものです。
以前に比べ、認知度も高まったせいか私が書いた円皮鍼についてのブログが大変多くの方に読んで頂けているので、今回はもう少し細かい所までご説明・ご紹介させて頂きます。
以前、書いた記事はこちらから
円皮鍼を美容目的でお顔に貼りたい方はこちらから
腰痛改善目的でツボ・張る場所を知りたい方はこちらから
円皮鍼ってどんなもの?どんな時に貼るの?
円皮鍼の構造は上記でもお伝えしましたが、シールに1㎝前後の鍼がついており、痛みがある箇所や身体の不調を和らげてくれるツボに貼ります。ご存知の方もいるかもしれませんが、ピップエレキバンという商品はシールに磁石が付いており磁気を利用して血行を良くして肩こりを解消するものですが、その磁石の部分が鍼になっているとイメージして頂くと分かりやすいと思います。
そして円皮鍼はどんな身体の不調の際に用いられるかというと…
- 肩こりや頭痛
- 腰痛
- 膝等の各関節の痛み
- 筋肉痛や肉離れ、捻挫等スポーツによるケガの痛み
- 生理痛や生理不順等の婦人科疾患
- 自律神経の乱れ
などなど、単に肩こりや腰痛といった筋肉に関連する痛みだけではなく、身体の様々な不調を和らげてくれる事が期待できると思います。
円皮鍼ってなんで効くの?
円皮鍼は1㎝にも満たない微細な鍼ですが、そんな小さな鍼がなぜ身体に効果・変化が期待できるのかというと、皮膚の直ぐ下には自由神経終末という痛みを感知する受容器(レセプター)があり、その自由神経終末が痛みをキャッチします。ですから、その自由神経終末に円皮鍼による鍼刺激で直接的に働きかけたり、血行が乏しい筋肉には乳酸等の老廃物や痛みを感じさせる発痛物質が溜まる事で肩こり等が生じるのですが、円皮鍼の鍼刺激で血行促進を図る事で痛みの緩和・除去ができるのです。
(自律神経系の不調や生理痛等が改善される理由(メカニズム)は経穴(ツボ)を利用した東洋医学的な考えの為、上記の説明とは異なるため割愛します)
ただ、あまり難しく考えずに痛い所に貼って頂ければ良いと思いますので、とりあえず挑戦してみましょう。
円皮鍼の貼り方・手順
円皮鍼という存在を知っていても、実際にご自分の身体に鍼を刺す事は不安や抵抗があると思いますが、痛みはほぼ無痛ですし、使用方法や使用期間・衛生的に使用すれば健康被害を及ぼすことは極めて少ないと思います。
ここからは、貼り方や手順についてご説明させて頂きます。
貼り方は簡単…
まずは貼りたい場所(患部)をアルコール消毒
(エタノール等をコットンやティッシュに付け患部を拭く)
円皮鍼を容器から取り出す
白い紙テープの部分を持ち剥がす(不器用な方はピンセットを使うと便利です)
片面のシールを剥がして刺したい場所にフワッと置く(この時点では鍼は刺さっていません)
しっかり垂直に鍼が刺さるよう真下に向かってデコピンをする様な形で刺します
そこからもう片面のシールを剥がしておさえる
貼り終えた後、チクチクしたり違和感がなければしっかり貼れています
貼り方の手順は以上になりますが、針が皮膚に対して垂直に刺さっていない場合はチクチクした感じ(衣類の繊維が毛に引っかかってチクチクする感覚に近い)になりますので、その場合は鍼が斜め方向や水平に曲がってしまっている事が予想されますので剥がしてください。
円皮鍼は非常に細く小さいため失敗してしまった際は、もったいないですが元に戻すことは出来ませんので廃棄しましょう。
円皮鍼のオススメのメーカーはあるの?
円皮鍼といってもネットで検索しても様々なメーカーがあり、どれを買っていいのか迷われる方もいると思いますので、私が自信をもってオススメできるメーカーをご紹介させて頂きます。
それは………
セイリン社製の『パイオネックス』です。
セイリンの鍼は高品質で安心・安全というイメージが強く、他社製品に比べ単価が高いですが間違いなく業界トップメーカーです。当院で使用する鍼もセイリン社製を使用させて頂いております。
余談ですが…
セイリンさんの鍼先は顕微鏡レベルでみると丸い形状をしているため他社製品に比べ、鍼を刺す時の「チクッ」という痛みが限りなく少ないため、患者さんにとっても優しい鍼です。
その分、コストは他社製品より割高ですが、患者さんにより安心・安全な治療を提供する事を当院は優先しております
円皮鍼の長さ(サイズ)はどのくらいが良いの?
円皮鍼(置き針・皮内鍼)は鍼の長さ(サイズ)が違うモノが何種類かに分かれております。
ここではセイリン社製のパイオネックスを参考にご説明させて頂きます。
コード(色) |
|||||
鍼長(㎜) |
0.3 | 0.6 | 0.9 | 1.2 | 1.5 |
太さ(㎜) |
0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.20 |
上記5種類が基本となりますが、私のオススメするサイズは0.6㎜です。当然ですが全てのサイズを試しましたが、1.2㎜以上になると鍼を刺す時の「チクッ」とする痛みをそこそこ感じるため技術が必要になるため、ご自身で刺すのは難しいと思います。0.9㎜は刺す場所(患部)によっては、無痛に近いですが手先や足先といった感覚が細かい場所はやはり鍼が刺さった感が分かるため、多少痛いくらいの刺激が必要と感じる方は0.9㎜でも良いですが、初めて挑戦される方や刺激や痛みに敏感な方はやはり0.6㎜が望ましいと思います。
これまで当院では基本的に0.6㎜を主に使用させて頂いておりますが、患者さんの反応や効果は十分良いと思います。
より深く刺せば効果が高いというものでは無いですし、深く刺す方が痛みを伴うだけでなく、感染のリスクが高くなり衛生管理もより必要なため、0.6㎜から始めて扱いに慣れてきたり効果が感じられない場合は徐々にサイズを変更していくと良いでしょう。
ちなみに…
パイオネックス「0」番という刺さない鍼もあります。刺さずに円皮鍼の効果が得られるモノで顔等のよりデリケートな場所に用いられる事が多いのですが、鍼を刺すこと自体に抵抗がある方は「0」から挑戦してみるのも良いかもしれませんね
円皮鍼って貼ってからどれくらいで外すの?
円皮鍼は通常の鍼治療とは違い、一定期間であれば刺したままの状態でツボや筋肉を刺激し続けれる事が最大のメリットですが、どのくらいの期間貼り続けて良いのか分からないと思いますので、解説させて頂きます。
汗をかき易い体質や年齢・生活環境・季節等、個人差や状況によって一概にはいえませんが、当院では基本的に1週間で交換または外すようにお伝えしております。
真夏と真冬では発汗の量も異なりますが、シール(テープ)の部分が徐々に皮脂や汚れが付着しベタベタとしてきたら交換の目安だと思いますが、そうでなくとも衛生的な観点から考えてもあまり長く貼り続ける事は避けましょう。
また、剥がした際はアルコール消毒を行ってください。
円皮鍼をしたままお風呂に入っても良いの?
円皮鍼は最大でも1週間で交換して頂く事が望ましいとお伝えしましたが、その間も当然お風呂に入って頂いて構いませんが、身体を洗う際は円皮鍼の貼ってある部分を強く擦ると外れやすくなるため、擦り洗いは避けましょう。
入浴後のタオルで身体を拭く際も、ゴシゴシと擦るのではなくタオルで押さえる様に水分を拭きとって頂ければ取れにくくなります。
円皮鍼がシールから剥がれて体内に入る事はないの?
円皮鍼がシールから剥がれ、身体の中に入ってしまう事を極稀に心配なさる方もいらっしゃいますが、それは無いと思って頂いて良いでしょう。
当然100%ないとは言い切れませんが、少なくとも私はこれまでにそのような事例を経験した事がなく、メーカーの方や医療業者さん、同業の方でも一度もそのような話は聞いたことがありません。
それでも心配という方は、外す時に一つ一つ鍼がシールに付いているか確認して頂くと安心すると思います。
円皮鍼と通常の鍼治療はどちらが効く?
円皮鍼についてここまでご説明させて頂きましたが、鍼灸院で受ける通常の鍼治療と円皮鍼はどちらが効果が高いかといいますと、やはり鍼灸院で受ける鍼治療の方だと思います。
通常の鍼治療は通院中の治療時のみ鍼を刺し、その場で抜くため長時間の刺激は与えられませんが痛みの状態に応じて深さの調節や刺激の強弱等を調整できる点においても優位だと思います。
それに国家資格を持った鍼灸師の治療が一般の方が自宅で行う円皮鍼が同等であれば、我々鍼灸師はいらなくなってしまいます…w
ですが、昨今のコロナ禍において極力外出を避けたい方や忙しくて通院する時間が無い方等にとっては円皮鍼でも十分に効果を感じて頂けると思いますので、肩こりや頭痛、腰痛等身体の痛みや悩みでお困りの方は是非お試し下さい。
そして、それでも身体の痛みや悩み等、問題が解決しない場合は鍼灸接骨院や整形外科に受診して下さいね。
円皮鍼の貼り方や効果を1から徹底解説。自宅でできる鍼治療まとめ
円皮鍼の貼り方の手順や詳細についてここまで解説させて頂きましたので簡単にまとめさせて頂きます。
円皮鍼は肩こりや腰痛、各関節の痛みや肉離れ(筋肉痛)だけでなく、生理痛などの婦人科疾患や自律神経症状等、幅広い身体の悩みや不調に効果が期待できる
円皮鍼のオススメはセイリン社製のパイオネックス円皮鍼のサイズは0.6㎜が最適だが不安な方は0.3㎜または0㎜でより刺激が必要な方は0.9㎜貼り続けていい期間は季節や生活環境によっても違うためシールがベタベタしてきた時が外すタイミングだが最大でも1週間入浴時やタオルで拭く際はゴシゴシと擦らない円皮鍼を貼っても改善されない場合は、鍼灸接骨院や整形外科に受診する
今回は、当ブログで数年前に書かせて頂いた記事が現在も全国の多くの方に見て頂いておりましたので、より詳細に解説させて頂きましたが、少しは参考になって頂けたでしょうか?
今後も円皮鍼の貼る場所やツボについても解説させて頂きますのでよろしければご覧ください。
当院では円皮鍼だけでなく、1週間に1度の頻度で鍼灸治療や他の治療をさせて頂き、その間も持続的に患部の治癒力を高めるために円皮鍼を用いさせて頂く事もありますので、痛みや身体の悩みでお困りの方は是非お気軽にご相談下さい。
お願い!!
当院はInstagramでも身体に関する内容を中心に投稿しております。当記事が少しでもお役に立てたのであれば是非フォローして頂けると幸いです。こちらから直接ご連絡する事はありませんが、何か気になる事やご相談事がありましたらメッセージにてお気軽にご連絡下さい
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