2016.11.16
膝のMCL損傷(内側側副靭帯損傷)について
今回は、転倒やスポーツ中に傷めやすく日常的に遭遇する事が多い疾患で膝の内側側副靭帯損傷(MCL損傷)についてご説明させて頂きます。
膝関節は、上部が大腿骨・下部が脛骨・前部が膝蓋骨という3つの骨で構成されており大腿骨と脛骨を固定する目的で4本の靭帯が付着しており、 それぞれを内側側副靭帯・外側側副靭帯・前十字靭帯・後十字靭帯と呼びます。大まかには同じ靭帯ですので関節の動きを制動するという点は同じですが細かくいうとそれぞれが重要な働き・機能を有しています。
内側側副靭帯は、浅層と深層の二層構造をしており膝の内側の安定性に大きく関係しています。ですので転倒やスポーツ中に膝が外反強制(膝が内側にくの字に曲がる状態)された際に、内側に付着している靭帯(ベルトの様な役目)が外力に負けてダメージを受ける事を損傷といい、完全断裂や部分断裂ともいいます。
臨床症状としては、患部の圧痛・損傷度合いにもよりますが膝の内側部に皮下出血(内出血)・腫脹・関節を動かした時に痛む・歩行時痛・関節水腫等がみられ、評価基準は、外観上の評価以外にも徒手検査(外反ストレス検査等)・エコー(超音波観察装置)で損傷度合いを判断します.
外反ストレステスト(valgus stress test)には基準があり、
gradeⅠ 伸展位・30°屈曲位ともに不安定性ないがMCL付着部に圧痛(+)
gradeⅡ 伸展位ではないが30°屈曲位にて内側の不安定性がみられ圧痛(+or++)
gradeⅢ 伸展位で不安定性が生じ、屈曲位では更に不安定性が強まる
の3つに分けられます(この基準に当てはまらない症例もありますが大まかな損傷の程度を把握するために必ずチェックします)
上記の基準の様に靭帯の断裂が広範囲の場合、膝の内側の不安定性がみられ膝が「グラグラ」する方もいらっしゃいますが軽度であれば見落としてしまう可能性もあるので受傷機転をしっかりと聴取することも大切です。
MCL損傷は単独損傷と複合損傷とに分けられますが、単独損傷の場合(他の靭帯や半月板等周囲の組織の損傷がなくMCLのみの損傷の事)、一般的には保存療法(手術しないで治す)が選択され予後も比較的良いとされていますが、膝の伸展位(伸ばした状態)で不安定性がみられる場合には手術適応とされる事があります。複合損傷で多いのが、ACL(前十字靭帯)やMM(内側半月板)の損傷です。ACLは完全な関節内靭帯のため、自然修復は期待できず関節の安定性にとって特に重要とされているので手術適応となります。
MCL損傷で保存治療を選択した場合は、程度にもよりますが膝部にギプスやシーネで数週間固定をして患部の安静・治癒促進を図ると共に許容範囲内での関節可動域訓練・干渉波や特殊電気治療・鍼灸治療をする事で膝の関節拘縮を生じさせず、治療期間の短縮になりその後、患部の圧痛がなくなり不安定性が消失し膝の可動域にも制限がなければ終了となります。
適切な時期に固定等治療をしなかった例や放置した場合は不安定性が残る場合や関節拘縮が起きてしまう場合もありますので、その後のスポーツ活動が制限されたり、変形性膝関節症へ移行する場合もありますので軽視せず当院へ受診下さい。
MCL損傷以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談ください。
2016.11.14
この時期は保湿が大切です
当院に新しい仲間が加わりました。これからの時期、彼なしでは快適に過ごすことができない方も大勢いらっしゃると思います。
それは………
加湿器です。
もともと空気清浄器加湿器を置いてありますが、加湿はやはり加湿器で行う方が(餅は餅屋的な考え)いろいろとメリットが多かったので新しくアイテムを購入しました。
(加湿器にもイロイロありますが、ハイブリット式にしました)詳しくは、検索してみてください。
冬は湿度が下がり乾燥します。だから加湿します。当然の事ですが何で加湿した方がいいか・加湿する事によるメリットは何なのか?……
加湿をすると、
□ 風邪やインフルエンザ等のウィルスの活動を抑え感染予防する
□ 喉や鼻の粘膜からのウィルスの侵入を防ぐ(ウィルスを排除する機能が高まる) 乾燥は肺にも悪影響を及ぼす場合もあります。
□ 肌が適度に潤い乾燥肌を防ぎ、かゆみ等の皮膚のトラブルから身を守る
□ 静電気が起きにくくなりホコリ等の飛散を抑える
等のメリットが得られますのでめんどくさがらず、適度に加湿する事をおすすめ致します。理想的な湿度は40~60%前後と言われており、これはウィルスの活動が抑えられ飛散しづらい湿度だそうです。(逆に加湿のし過ぎによる結露やカビにご注意を!!)
朝の起床時、喉に「イガイガ」を感じたり痛い場合は乾燥のサインですので思いあたる方は今日から加湿してみてください。
当院には、様々な年齢層の患者様(ご年配の方や小さなお子様・妊娠中の方は特に注意しなければいけません)が来院されますので院内の湿度を管理し患者様同士やスタッフ間での感染をなるべく抑えられるように管理させていただいております。
今年も徐々にインフルエンザが流行し始めてきましたので注意が必要ですので、みなさんも加湿の他にも手洗い・うがい等、感染対策をしっかり行い冬を楽しみましょう。
ちなみに、お灸はこの時期、痛みを取り去る目的だけでなく免疫を上げ風邪など感染症の予防対策としてお受けになる患者様もいらっしゃいます。
気になる方や興味があるかたは当院へお気軽にご相談ください。
カテゴリー: ゆうき鍼灸接骨院について | Post : 2016.11.14 17:05
2016.11.12
追突事故などで起こるむち打ち損傷は初期治療が重要です
冬の時期は他に比べ交通事故発生件数が多いと統計で出ているそうです。日が短く帰宅ラッシュの時間帯には暗くなり視界が悪くなっている事と年末にかけて慌ただしくなり気持ちに余裕がない事等が理由だそうです。
当院にも追突され、むち打ち損傷で辛い思いをされている患者様も増えております。 個人差はありますがむちうち損傷の場合、事故当日から痛み等の症状が出るのではなく翌日以降に症状が出る事が多く首や腰の痛みだけでなく、頭痛やめまい・吐き気等の自律神経症状を訴える患者様も多いように感じます。(自律神経症状にはレーザー治療等が有効です)
追突等交通事故後の症状の一つであるむち打ち損傷は、首が全く動かなくなる場合や、首から背中にかけて重りが乗ったようにだるい場合等様々な症状がみられますが、初期の段階で治療を怠ったり放置してしまうとその後、痛みが残ってしまう事やなかなか症状が軽減されない場合が多々あります。
実際に別の理由で来院された患者様の中で数年前(なかには数十年前)にむち打ち損傷を経験されその後、未だに痛みがある・普段はいいが天気が悪くなったり寒い冬の時期になると症状が再発する…とおっしゃる方も多くいます。ですので軽視せずしっかりと治療する事をおすすめ致します。
特に最初の数週間は治療に専念する事が大切です。当院ではご希望があれば鍼灸治療も行うことが出来ます
まぁ一番いいのは、交通事故に遭わない事ですが…これから年末に近づくにつれて楽しいイベント事が増えてきますので辛い思いをしないように運転の際は十分にお気を付け下さい。
何か痛みや悩みな等でお困りの方がおりましたら当院へお気軽にご相談ください。
2016.11.11
坐骨神経痛(Sciatic-nerve-pain)には鍼(はり)治療が有効です
坐骨神経痛には鍼治療が有効
先日、左の臀部(おしり)から大腿後面部(ももうら)にかけての鈍痛が何年もとれず辛い思いをされている患者様が来院されました。
その患者様は、近隣の整形外科を同症状で受診したところ坐骨神経痛と診断されたそうで飲み薬とシップを処方され、電気治療を受けにしばらく通院していたそうですが症状が一向に改善されないため当院へ受診されました。
坐骨神経は腰から足の先(途中から名前が変わりますが…)まで繋がっている神経で、その神経がどこかで圧迫され臀部付近から大腿部後面(ももうら)の辺りに痛みやシビレ・ダルさが出現した際に坐骨神経痛と判断されますが、坐骨神経痛が腰椎椎間板ヘルニア(LDH)や腰部脊柱管狭窄症(L-SCS)・梨状筋症候群等が原因と判断されればそちらが診断名となり、坐骨神経痛はその疾患の症状として説明されます。
坐骨神経痛ってどんな痛み?
坐骨神経痛の痛みは人により異なり、鈍痛やダルさを感じる人もいれば、針でチクチク刺されたような鋭い痛みの方もいらっしゃいます。
今回の患者様は、年齢的にもおそらく腰椎が変形し、骨と骨の隙間が狭くなり神経が圧迫されている事が予想され、臀部の筋肉もかなり硬くなっていたため腰から臀部の筋肉の緊張を和らげ、腰椎にかかる負担を減らし臀部の筋肉が神経を圧迫しないように鍼(はり)治療をさせて頂きました。
一回目の鍼(はり)治療を終えた時点で、かなり坐骨神経痛が解消され夜もぐっすり眠れるようになり楽になったとの事でした。
何年も悩まされていた症状がたった一度の鍼(はり)治療で改善してしまうなんて…と喜んで下さっているのを見て、この職業について良かったと改めて感じました。当然ですが、必ず一回で症状が劇的に良くなる方もいればなかなか変わらない方もいらっしゃいますが、鍼(はり)灸(きゅう)治療は即効性がある方だと感じます。
長年、辛い痛みに悩まされている方は一度当院へご相談ください。
坐骨神経痛以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談ください。
2016.11.10
トレーナー活動 磐南 野球部
昨日もトレーナー活動として磐田南高校へ行ってきました。
昨日は風が強くかなり寒かったですが、選手たちは寒いと言いながらも練習に励んでいました。
今回初めて診させて頂いた中で、臀部(お尻のほっぺた)の痛みを訴える選手がいました。骨盤付近ですので剥離(はくり)骨折も念頭に置かなければならないのですが所見としても可能性が低い事と、数日前に整形外科にてレントゲン検査をし骨には異常がないとの説明を受けたそうなのでそこは除外できました。
骨盤に付いている筋肉はそこから足の方へ向かう筋肉と、腰の方へ向かう筋肉があります。今回の選手の場合は各動作時痛や徒手検査をし、足の方へ付く筋肉の部分損傷と判断致しました。
骨盤周囲の骨は特に成長期の選手で野球や陸上・サッカー等様々な競技の場で剥離骨折を起こしうる部位ですので注意が必要です。 この選手も今回は大丈夫でしたが下肢の張り感や疲労が蓄積し、筋肉の柔軟性が低下し筋の質が落ちた状態で運動を続けていると最終的に「バキッ」と剥離骨折を起こしてしまう可能性があるため日ごろからのケアが重要ということをお伝えさせて頂きました。
筋肉の損傷(肉ばなれ)は初期の段階ではRICE処置をしその後、損傷度合いにもよりますが徐々にストレッチを開始し筋の柔軟性を上げていく事で再発も防げます。スポーツ以外でも身体のどこかに力を入れた際に痛みが生じる場合は、筋肉が損傷(ダメージ)している可能性が考えられますのでエコー(超音波観察装置)で確認する必要があります。そのまま放置し痛みがひどくなったり悪化する場合もあるのでお早めに当院へご相談下さい。
その他にも、肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談ください。
また来週も張り切って、楽しんでサポートに行きたいと思います。
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