2016.11.19
膝の打撲症について
膝の打撲症について
膝の打撲症について、当院へ実際に来院された患者様のお話をさせて頂きます。
昨日、転倒して膝を地面に強打し痛みがなかなか治まらないという事で来院されました。
膝を打撲した際に第一に疑う疾患は?
膝を転倒し強打した場合、まず第一に疑うべき疾患は膝蓋骨(しつがいこつ)骨折といってお皿の骨の部分が骨折することです。
痛む部位や関節の腫れ方でおおよその見当はつきますので、エコー(超音波観察装置)を含め検査し疑わしい場合は一度、医療機関にてレントゲン検査をお受け頂くようにお願いする場合もございますが、今回の患者様は先に整形外科に受診しレントゲンを撮り骨折はなく骨に異常はないと診断され、シップだけ処方されたたそうですが痛みが治まらず不安な気持ちと他に何か治療方法はないかと思われ当院へ受診しようと思って下さったそうです。
膝の打撲症をエコーで観察
症状としては、膝の内側の腫れ・若干の内出血・患部の圧痛(押されて痛む)・軽度だが膝の運動時痛・歩行時痛でした。
上記でもお伝えしましたがレントゲン結果も異状がない事と臨床所見からも大きな骨折はないと判断しましたが、エコーで確認してみると関節内が腫れているのが確認できました。
膝にお水が溜まるのはどんな時?
通常、関節は関節包という袋のようなもので覆われており関節の中と外とで隔てられておりますのでその関節包より内側を関節包内・外側を関節包外といい、関節包内には関節の滑りが円滑になるように滑液(関節液)という潤滑油の役割を果たす液体が入っております。
関節が変形し摩擦が大きくなると過剰に滑液が産生され、この過剰に出たものがいわゆる膝の「お水」というわけです。
関節の中で骨折や軟骨・半月板などの組織が損傷した場合、そこから出血するので水を抜くと真っ赤な血が出る事があります。(通常は透黄といい透き通った黄色の液体です)ですので膝の水を抜く注射をして真っ赤なお水(血)がでれば何らかの大きなケガ(骨折・靭帯断裂)があることを意味するのです。
エコー画像上では血腫の場合、通常の滑液(黒色)とは違い白色に近い色で抽出されるので出血は起きていないか起きていても少量だと判断しました。しかしレントゲン上では写し出されない関節内の腫れが確認できたので組織の損傷がやはりあるため治療が必要です
(関節内の腫れが外観上では無く水を抜く必要がないと医師がご判断されましたので大きなケガではないと考えますが…)
単なる打撲と説明すると安心される方もいらっしゃいますが、打つ場所や強さによっては痛みが長引く場合や骨挫傷というケガになっている事もありますのでその様なケガをされた方は軽視せず当院を受診して頂く事をおすすめ致します。
痛みが強く足を着くだけでも痛い場合は、骨折の有無に関わらず松葉杖を使用し足の負担を軽減させる事も必要です。
松葉杖の使い方等を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
膝の打撲症以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.11.05
ギプス固定(gyps-fixing)
本日の午後は自費治療の予約の患者様が数人だけだったため、業務終了後に急遽、ギプス固定の練習をしました。
以前、勤めていた時の職場の後輩が私が開業する前から巻き方を教えてほしいと言ってくれていましたが、開業してからなかなか時間的に余裕がなくずっと先延ばしになってしまっていたので申し訳なく感じていましたがやっと練習会ができたので私もほっとしました。
私共、接骨院(柔道整復師)は昔も今現在も、骨折や脱臼・捻挫・打撲等のケガを治す仕事ですので必要な時は固定をさせて頂く事があります。
時代の流れとともに何屋さんなのか分からなくなっている方もいらっしゃるとは思いますが本来、骨折・脱臼等の治療ができる事が大前提でその上で、それ以外の症状や疾患も診れる事がスマートだと思います(そう考えない同業の方を否定するつもりはございませんが…)
しかし近年、大半の接骨院ではそういった固定の作成(ギプスを巻いたりシーネを身体の形に合わせて作ったり)ができない人が多いのが現状だと思います。
なぜできないかというと、骨折や脱臼など固定が必要な大きなケガの患者様が接骨院には来ないと思っているから固定できなくてもいい・巻けないということはその様な患者様が来院されても診れないから断ってしまうので、尚巻けなくなってしまう等が理由としてあると思っています。(もちろん完璧にできる先生方も大勢いらっしゃるのも事実ですが…)
私は骨折や脱臼、打撲・捻挫と謳っているからには、しっかりと最初から最後まで責任もって診させて頂きたい・診れるようになりたいと思い今まで修行・研修させて頂いてきました。(当然人間ですので100%とはいえませんが100%に限りなく近づける様に努力しています)
私も最初の頃は当然ですが、うまくギプスを巻いたり固定を作成したりできなかったので当時の諸先輩方に合格を頂くまで毎日毎日練習し夢にまで出てくるくらい包帯を巻きギプスを巻き固定の練習をしていました。そこから徐々に患者様の前でも落ち着いて巻く事ができるようになってきたとは思いますが、何度巻いても緊張はするものです…(その緊張感が大切で、そのくらい固定をするという事は患者様にとって大きな負担であり少なからずともリスクが生じ、今後の人生にも影響するものです。安易な気持ちやいい加減な固定をすることによって一生残る後遺症もあります)
毎日のようにギプスを巻いたり固定具を作ったりしていた日々が懐かしく感じ、やっぱり私はこの仕事が好きなんだな~と感じました。
何にでもいえることですが、物は使わないと故障したり錆びたりします。技術もそうですが常に練習して日ごろから準備しておくことでより良いモノを提供できると思いますので、固定技術も錆びないように定期的に練習会を開催したいと思いました。
今回は手首の骨折を想定しての固定…後輩が上手に巻きました。
次回は足関節のヒール付きキャストかシリンダーキャストをやろうかと計画中…
今まで私にこのような技術をお教え下さった諸先輩方・巻かせて頂いた患者様に感謝しつつ、これからも見た目も美しくより機能的な固定を提供できるように日々努力したいと思います。
カテゴリー: ゆうき鍼灸接骨院について, 症例 骨折 | Post : 2016.11.05 19:38
2016.10.21
膝蓋骨骨折(patella-fracture)
膝蓋骨骨折について
今回は膝蓋骨(しつがいこつ)といい膝のお皿の骨折についてお話したいと思います。
膝のお皿は皮膚直下にあるため損傷を受けやすく、特に転倒などで直接膝を強打して発生することが多く骨折線(ヒビの入り方)は横型が多く50~80%を占め、その80%が中央部または遠位1/3部に生じる事が多いのですが、T字型やY字型など複雑な骨折になる事もあります。
直接膝を強打する以外にも、足(大腿部)に強い力が急激に入った際、骨が筋肉に引っ張られ骨が
骨折全体の1%を占め、成人に多くみられ男性が65%と若干多く、膝蓋骨(お皿の骨)は膝の伸展機構(膝を伸ばす動き)の中で重要な役割を担っているため骨折により膝の機能が著しく障害される場合もあります。(他にも正座が出来なくなる場合もあります)
臨床症状としては、膝蓋骨が骨折すると膝がパンパンに腫れます。これは膝の関節内に出血が生じ、関節内が血液でいっぱいになるからです。
(ちなみに軟骨の損傷・十字靭帯・半月板の損傷や断裂でも出血しますが、骨折の場合は血液+脂肪滴が混じりますので関節穿刺(関節に注射をして水や血を抜く事)し関節液の中に脂肪滴(血液の表面が光る様に見える)が見られれば関節内のどこかで骨折しているという事になります)
骨折が疑われる場合は、当院から医療機関をご紹介し医師に精査して頂きます。(必要であれば膝の関節液(血)を抜く事もあります)
骨折と判断した場合でも軽度であれば手術せず保存療法で治療します
(骨折した隙間が3㎜以上・関節面の段差が2~3㎜以上の場合は手術となります)
通常、シリンダーキャストといい大腿上部~足のくるぶしより少し上まで膝を伸ばした状態でギプスを巻き、固定し松葉杖にて歩行します。荷重は全荷重(FWB)・部分荷重(PWB)かは骨折の程度により異なりますが軽度のものであれば固定下での歩行を許可する場合もあります。
固定期間は3~6週間くらいが一般的ですが長くとも4週過ぎたら許容範囲内で少しずつ関節可動域訓練(膝を曲げていく練習)を開始し関節拘縮(関節が固くなる)の予防に努めます。骨の癒合(治り)も大事ですが、全く曲げられない膝になってしまっては元も子もないからです。
長期間固定していると筋委縮(筋肉が衰えてしまう事)してしまうため固定下で関節が動かない状態で膝に力を入れて筋力運動をし筋力の委縮を最小限にとどめます(足首は初期の段階からどんどん可能な限り動かして良いです)
レントゲン上で仮骨(新しい骨)が出現し、徐々に骨折部が安定してきたら固定をoffするかどんどん軽い固定にするとともに上記の様なリハビリを開始しますが、年齢や状態によっては二度と正座が出来なくなってしまう場合もありますのでリハビリが重要になってきます。
当院では、固定(ギプスを巻いたりシーネを作成したり)の管理からその後の治療まで可能ですので現在、拘縮治療をしているがなかなか改善しない方や治療を終了しているがもっと曲がるようになりたいとご自分で努力されておられる方も当院へ一度ご相談下さい。
当院では、鍼(はり)・灸(きゅう)治療や特殊電気治療を併用する事でより効果的に効率よく治療することが可能です。
2016.10.17
肩甲骨体部骨折(scapular-body-fx)
先日、肩甲骨体部骨折後の患者様が来院されました。
肩甲骨骨折は、骨折全体の1%で比較的まれな骨折です。なぜかというと肩甲骨は多くの筋肉に囲まれ守られており形が偏平で可動範囲が大きいからです。しかし逆をいえばそれだけ守られている分、骨折した際は強い衝撃を受けたという事なので重篤な合併症(多発肋骨骨折・気胸(肺に穴があいてしまうこと)・血胸)を伴う事もあります。
治療方法としては、観血的治療(手術)と非観血的治療(手術しない)に分かれますが、転位(ズレ)が大きい場合や関節内骨折(折れる箇所によって)は手術となります。
肩甲骨骨折は骨癒合(骨のくっ付き具合)は良好ですが、腕(肩)を拳上すればある一定の角度から一定の割合(リズム)で肩甲骨もスライドするように動き肩の動きやすさを助けているため、肩甲骨の骨折も上腕骨や鎖骨の骨折・脱臼と同様に肩関節を固定する事により肩甲骨の固定となるため、肩関節の拘縮(関節が固まってしまう)が発生しやすいです。
そのため若干の転位が存在したとしても、より早期から肩関節の運動療法を行うことが大切だと思います。
今回の患者様も肩甲骨体部骨折以外にも肋骨骨折・鎖骨骨折・腱板断裂を合併されてのケガで、当院を受診頂いた理由も、骨折した箇所は骨がくっ付き痛みも治まっているが腱板(肩のインナーマッスル)の損傷で腕が痛くて挙がらないとの事でした。
症状を診させて頂き、臨床症状を含めエコーでも患部を観察し腱板の断裂・部分損傷も確認できましたが、挙がらない理由は骨折した後に固定を長期間行い、その間動かすリハビリを十分に行えなかった事による拘縮(こうしゅく)の方が強く感じたため、拘縮治療をさせて頂きながら、腱板損傷の治療をご提案し治療させて頂きました。
骨折の場合、安静にして患部を固定しないと骨がくっ付かないため動かさない事も大切ですが、許容範囲内で動かし拘縮が起きないようにする事はそれ以上に重要となる事もあります。
当院では骨折・脱臼・捻挫の治療やその後の関節拘縮治療も行えますので、なかなか通院はしているが改善しない方や病院で治癒(終了)とされご自身でセルフケアしているがやり方が分からず、お困りの方等いらっしゃいましたらお気軽にご相談下さい。
スポーツによるケガ・交通事故後のむち打ち治療・慢性的な腰痛・肩こり等でお悩みの方も安心してご相談ください。
2016.10.05
鎖骨骨折(clavicl fracture)
今回は鎖骨骨折についてご説明させて頂きます。
今回の患者様は自転車にて転倒し肩部を直接地面にぶつけたとの事でした。いつも同じことですが受傷機転(ケガをした体勢)を聞く事でおおよそどの箇所が損傷されてるか推測がつきます。今回のケースで考えられるとしたら鎖骨外端部骨折の他、肩鎖関節脱臼・上腕骨近位端骨折(大結節部等)・肩甲骨骨折などを疑います。もちろん骨折や脱臼の場合、腫れ以外にも皮下出血が広範囲にみられる事が多いため外観上も骨折しているか判断する際に重要となります。(ちなみに肩ではなく手をついた場合は手首の骨折や肘の骨折・脱臼・靭帯断裂、肩の骨折・脱臼等も考えられます)
問診後、視診に移ります。左右見比べ骨が突出している箇所はなかったですが、肩部に腫れがあり腕の方までムラサキ色に皮下出血しておりました。その後、触診に移ります。圧痛(押されての痛み)は鎖骨の外側付近にあり鎖骨外端部骨折か肩鎖関節脱臼が疑われました。
肩鎖関節脱臼の場合ピアノキーサインといい鎖骨を上から押すとピアノの鍵盤を押した時の様に鎖骨が沈みますがそういった徴候はみられませんでしたので鎖骨外端部骨折の疑いがより強まりました。
エコーで確認してみると健側とは明らかに違う骨の形状をしており段差がみられたため近隣の医療機関へご紹介させて頂きました。
鎖骨は呼吸にも関係しており腕を挙げる際も動くため完全に動かない様固定することが困難ですが他の骨に比べ癒合(治り)は早い方だといわれております。固定方法は一般的には鎖骨バンド・8の字バンド等といわれる専用のバンドで固定します(胸を張るように固定)(初期はバンド+三角巾)
固定期間は4週~6週前後で骨のくっ付き(癒合)具合をみて徐々に外していき、同時に腕を挙げる訓練を開始していきます。(鎖骨でも折れた場所により治りが早いところと遅いところがあります)
当院では少しでも早く癒合(くっ付く)する様に超音波治療等特殊電気治療や鍼灸治療を行っております。
骨折や骨折後のリハビリでお困りの方はお気軽にご相談下さい。
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