2016.10.17
肩甲骨体部骨折(scapular-body-fx)
先日、肩甲骨体部骨折後の患者様が来院されました。
肩甲骨骨折は、骨折全体の1%で比較的まれな骨折です。なぜかというと肩甲骨は多くの筋肉に囲まれ守られており形が偏平で可動範囲が大きいからです。しかし逆をいえばそれだけ守られている分、骨折した際は強い衝撃を受けたという事なので重篤な合併症(多発肋骨骨折・気胸(肺に穴があいてしまうこと)・血胸)を伴う事もあります。
治療方法としては、観血的治療(手術)と非観血的治療(手術しない)に分かれますが、転位(ズレ)が大きい場合や関節内骨折(折れる箇所によって)は手術となります。
肩甲骨骨折は骨癒合(骨のくっ付き具合)は良好ですが、腕(肩)を拳上すればある一定の角度から一定の割合(リズム)で肩甲骨もスライドするように動き肩の動きやすさを助けているため、肩甲骨の骨折も上腕骨や鎖骨の骨折・脱臼と同様に肩関節を固定する事により肩甲骨の固定となるため、肩関節の拘縮(関節が固まってしまう)が発生しやすいです。
そのため若干の転位が存在したとしても、より早期から肩関節の運動療法を行うことが大切だと思います。
今回の患者様も肩甲骨体部骨折以外にも肋骨骨折・鎖骨骨折・腱板断裂を合併されてのケガで、当院を受診頂いた理由も、骨折した箇所は骨がくっ付き痛みも治まっているが腱板(肩のインナーマッスル)の損傷で腕が痛くて挙がらないとの事でした。
症状を診させて頂き、臨床症状を含めエコーでも患部を観察し腱板の断裂・部分損傷も確認できましたが、挙がらない理由は骨折した後に固定を長期間行い、その間動かすリハビリを十分に行えなかった事による拘縮(こうしゅく)の方が強く感じたため、拘縮治療をさせて頂きながら、腱板損傷の治療をご提案し治療させて頂きました。
骨折の場合、安静にして患部を固定しないと骨がくっ付かないため動かさない事も大切ですが、許容範囲内で動かし拘縮が起きないようにする事はそれ以上に重要となる事もあります。
当院では骨折・脱臼・捻挫の治療やその後の関節拘縮治療も行えますので、なかなか通院はしているが改善しない方や病院で治癒(終了)とされご自身でセルフケアしているがやり方が分からず、お困りの方等いらっしゃいましたらお気軽にご相談下さい。
スポーツによるケガ・交通事故後のむち打ち治療・慢性的な腰痛・肩こり等でお悩みの方も安心してご相談ください。
2016.10.15
足関節捻挫 三角靭帯損傷(ankle-sprain-deltoid-lig-inj)
先日、サッカー中に足を捻挫された方が来院されました。
発生機序としては、左足でボールを蹴ろうと右足で踏み込んだ際にその軸足となる右足首を捻ったとの事でした。
一般的に足首の捻挫の場合、内返し捻挫(足裏が内側を向く方向)が圧倒的に多く骨折や靭帯断裂・損傷が外果部(外くるぶし)に発生します。
しかし今回の患者様は左足でボールを蹴る際に軸足となる右足を捻ったとの事から内返し捻挫は起こりにくい事がお分かりでしょうか?
問診の際に、お聞きしたところ内果(内くるぶし)側に痛みがあり外側(外くるぶし)側は痛みも腫れもないため、やはり今回は外返し捻挫(足裏が外を向く方向)と推測されます。
外返し捻挫の場合、内果(内くるぶし)の真下に三角靭帯という靭帯がありその靭帯を痛める事が多いです。
三角靭帯は外くるぶし側の外側靭帯よりもはるかに強靭で子供の場合、三角靭帯が断裂するほどのストレスが加わった場合骨が先に剥離(はくり)骨折をしてしまうと言われるほど強固な靭帯です。(大人の場合は骨も強くなっているため靭帯が損傷されるケースもありますが…)
今回の患者様は10日前後経ってから来院され、内側の靭帯部に圧痛があるものの損傷度合いも1度強、程でしたので大きな固定はせずテーピング固定をし患部に超音波治療・レーザー治療にて修復促進をはかりました。(ケガをして直ぐであれば最低でも1週間は固定して頂く事が望ましいところですが)
捻挫や骨折の場合、重症度により数週間の誤差はありますが固定をしその後、関節可動域訓練・筋力訓練・バランス訓練をする事により再発予防にもなりますので特に捻挫の場合、軽視してそのままにしておくと「クセ」になることがありますので注意が必要です。
当院では、超音波観察装置にて骨軟骨や靭帯等、軟部組織の損傷度合いを評価してから治療に入りますのでもし骨折が疑われる場合は一度、医療機関でレントゲン検査をお受け頂く様お伝えもできますので安心して受診頂けると思います。
捻挫や骨折以外でも痛みでお困りの際はお気軽にご相談ください。
2016.10.13
むくみ・冷え症にはお灸が効果的
近頃、朝晩の寒さが出てきて、日中との寒暖の差が大きく感じる様になってきました。
真冬は当然ですが、この時期は寒暖の差が激しく季節の変わり目という事もあり体温調節機能など、身体も通常以上に働くため、免疫が下がり疲れがちで風邪を引きやすいです。
そんな寒くなってきたこの時期に効果的な治療方法は 『お灸(おきゅう)治療』です。
鍼灸治療は慢性の腰痛・肩こり・張り等の痛みをとるだけでなく、免疫を上げる事や自律神経系の症状を和らげたりと様々な症状・分野で力を発揮し今後、益々活躍が期待されているものだと言われています。
最近では、内臓の手術でリンパ節を切除し下肢のむくみで何年も辛く悩まされていた患者様が「お灸」治療をする事で症状が徐々に和らいできたとおっしゃっている方もおられます。
昔のお灸と違い、基本的に火傷(やけど)するほどの熱さではないため初めての患者様も安心してお受け頂けます。
下肢のむくみや冷え、その他の症状でお悩みの方は当院にお気軽にご相談下さい。
2016.10.12
頚椎症性神経根症(首の痛みと腕の痛み)
首から肩や腕にかけて痛みやシビレが出ていてお困りの方が来院されました。しかも腕にかけての痛みは言葉が出ないくらいの痛みのようで表情も硬く大変お辛そうでした。
問診後、頚椎(首)の動きを確認したところ、左側屈(左へ首を倒す)や左回旋(左へ振り向く)動作をすると肩や腕へシビレや痛みが放散(拡がる)し日常生活にも支障をきたすほどでした。
各種検査(一部)ではJackson test (+)・spurling test Lt(++) Rt (+) (首を上から圧迫した際に左側にシビレや痛みが増強)
握力は左が若干低下 知覚(sensory) 腱反射(reflex) ともに異常なし(intact) AMR(-) 巧緻動作障害(-)
頚の上から5番目の神経が圧迫(障害)されると疼痛は頚部の側方より肩へ放散する。シビレは三角筋中央部(腕)にみられることがある。と言われているためこの患者様は頚の4番・5番の骨が変形したり関節に炎症をきたし、それが原因で腕への症状が出ているのではないかと考え、患者様にもご説明いたしました。
治療プランとしては、急性の強い痛みがあったため超音波や鍼治療を中心に行い治療後の直後効果としては良くなるものの時間が経過すると再び腕への痛みやシビレが増強してくるとの事でした。
半月ほど経ち、不安に感じた患者様は近隣の整形外科を受診しレントゲン検査をうけドクターに頚からの症状と説明され、電気治療で様子見と言われたそうです。電気治療だけなら当院で鍼治療等を受けた方が症状が改善するとの事と、私が説明した内容と整形外科の医師の説明が同じだったため安心もしたそうで、その後も当院で加療する事を希望されました。
1か月経った頃から徐々に症状が改善していき、今では頚の可動域(動き)もほぼ問題なく改善されシビレは残存しているものの痛みは大分軽減してきているとの事です。
この患者様の場合、首の4番5番の骨(関節)を中心に鍼治療をし、頚部の筋緊張を軽減させ軟部組織に刺激をあたえ関節への負担を軽減させる事により症状の寛解をはかりました。
この様に一度ではなかなか軽減しない様な痛みやシビレもありますが継続して治療していく事の大切さを再確認できた事と、首や腕・手のシビレ、痛みには鍼(はり)治療が有効だという事を改めて感じました。
その様な症状でお困りの方はお気軽に当院へご相談ください
2016.10.11
整形外科との連携
当院では骨折や脱臼、その他にも症状により医師の診断・ご判断が必要なときはこちらから医療機関をご紹介させて頂く場合がございます。
例としては、当院に初めて来院された際に臨床症状やエコー画像にて骨折が疑われる場合や、なかなか引かない強い痛みが続いている場合等は一度、ドクターの診察をお受け頂きその後、治療プランを再考する事もあります。
骨折の場合でも固定の管理・その後の治療は当院で行い、決められた日に経過のレントゲン等検査を医療機関でお受け頂く流れとなります。
当院では浜松方面からの患者様(磐田方面でも可)には私が以前、勤めさせて頂いておりました浜松市中区曳馬にある
『医療法人社団 風喜会 やまうち整形外科』 院長の 山内 秀樹 医師に御高診をお願いしておりますので当院に受診後、医師の診察を受けたいとお考えの際はいつでもお申し出ください。
やまうち整形外科は一般外来の他、スポーツ分野や介護分野でもご活躍されているクリニックで高い志をもったスタッフが多くリハビリテーションも充実しております。
院長の山内先生は気さくなお方で、常に患者さんサイドで物事を考えて下さるお人柄で的確なご判断をして下さるため患者様も安心して受診頂けると思います。
当然ですが、医療機関(特に整形外科)あっての私どもの職種だと思いますのですばらしいドクターが一人でも多くいらっしゃる事は大変うれしく思います。
当院が最優先する事は、患者様にとって最善・最良な治療をご提供させて頂く事ですので、それが医療機関を受診して頂く事だと判断した場合、
すぐにご紹介させて頂きますので安心して通院ください。
何かありました際はお気軽にご相談下さい。 料金表はこちら
カテゴリー: ゆうき鍼灸接骨院について | Post : 2016.10.11 19:19
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