2016.10.01
キーンベック病(Kienböck病)
今回はキーンベック病(Kienböck病)という手首の疾患についてご説明させて頂きます。
このキーンベック病とは手首周囲にある月状骨という骨が原因となり、20~50歳の成人男性で大工職などの手をよく使う職業の方に好発し、繰り返しの外力による微小外小説が有力ではあるが未だ原因は不明とされています。無腐性壊死といい骨への血流が乏しくなりやがて壊死し最終的には骨が割れて偏平化・分節化・圧壊され手首の構造上、土台となる月状骨を失った後は、周囲の骨も変形し最終的には手関節全体の変形を招き日常生活に支障をきたします。
症状としては、初期の段階では軽度の手首の痛み、運動制限(動かしづらい)程度のため受診せづ放置される場合や打撲・捻挫と間違われて見落としてしまう事が多く病態が進行してから発見される場合もあります。重症例では握力が低下し骨の上下を走行する腱(スジ)の皮下断裂や正中神経麻痺を合併する事もあります。
治療は、早期で軽症の場合に関しては保存的治療(手術しない)となり必要に応じてギプスや装具で固定をする事もあります。重症化するにつれて手術を選択する事も多くなりますが手術方法は様々ありますが、重症例の場合手術を選択しても100%の寛解は望めないと言われております。 (いかに早期発見するかが重要となります)
ですので重症化した例では予後(今後の状態)不良のものもあり隣接する手根骨(周りの骨)も変形していきます。
診断には変形・圧壊等の状態を把握するためにはレントゲン検査が不可欠ですが、早期の場合レントゲン上では異常がみられず見逃されてしまうケースも多々存在するといわれており、早期発見のためにはMRIが重要です。
当院では仕事等で手を酷使していて手首の痛みを訴える患者様はエコー(超音波観察装置)にて月状骨部を観察し不正像があった場合、一度医療機関に受診して頂く様お伝えしております。
当院では血行を良くするために鍼灸治療やレーザー治療・手技により前腕部からの負担を減らし痛みが軽減するよう治療させて頂きます。
手首の痛みでお困りの方はお気軽にご相談下さい。
2016.09.26
尺骨突き上げ症候群(ulnar impaction syndrome)
先日、手首の痛みを訴え来院された患者様がいらっしゃいました。 その方は手首小指側の痛みが主訴でした。 手首の小指側の痛みで思い浮かぶ疾患は、当院のブログにも載せましたTFCC損傷やguyon管症候群(ぎよんかんしょうこうぐん)・関節リウマチ等が考えられます。
この患者様の場合、3カ月前に手首の骨折をした既往があるとの事でエコーで観察してみると橈骨(という手首の2本ある骨のうち親指側の骨)が変形治癒して短縮(短くなって)おりました。
今回の痛みは小指側にあり骨折との関連性は無いように感じますが、実は大きく関連しております。
それは何故かというと元々この手首の2本の骨は長さ・構造的にバランスを保っており手首を支えております。骨折により変形治癒(短縮・橈屈への転位が残存)しているため、この2本の骨のバランスが崩れ橈骨が短くなるため相対的に小指側の尺骨が長くなり、名前の如く手首から指先方向へ「突き上げて」しまうのです。
この状態の事を「ulnar plus variance」といいます。
尺骨が突き上げられることにより、軟骨・靭帯・骨が圧迫され痛みが生じます。
治療方法は骨切り術といい相対的に長くなってしまった尺骨を短く切り2本の骨のバランスを整える手術になりますが、保存的治療(手術しないで)で軽減する場合もありますのでそちらを優先的に試してみて、どうしても痛みが続く場合は手術する事をおすすめ致します。
当院では、痛みが強い炎症期は超音波治療器にて鎮静化しその後レーザー治療や鍼灸治療・モビリゼーションという手技でこの小指側への圧迫が少しでも軽減されるように治療させて頂きます。
そもそも骨折した際に、変形治癒させないように気をつける事が大切なのですが…
何かお困りの際は当院にお気軽にご相談下さい
2016.09.21
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)triangular-fibrocartilage-complex-injurise
先日、右手首の痛みを訴え来院された患者様がおられました。
原因を聞いてみると朝、起床時に手をついた際に痛めた。との事でしたが詳しく問診を続けていくと、日常的に手首を小指方向や外側に捻る動作を頻繁にしている事が分かりました。
症状としては、手首の小指側周辺の腫れと同部位を押した時の痛み(圧痛)・手首の動作痛では外側捻り・小指側への側屈・手のひら側へ曲げると痛みが増強しました。これらの事から考えられる疾患は限られてきます。
まず、外観上からは骨折や脱臼は考えにくく握力もほぼ問題なくシビレもなく皮膚の知覚も正常だったため神経症状も問題ないと判断しました。
ではこのような症状で考えられる疾患は何かといいますと「TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)」です。
手首には2本の骨があり小指側の骨を「尺骨(しゃっこつ)」といいます。その尺骨の上に付着しているのがTFCCです。
名前のごとく線維(靭帯等)と軟骨が合わさり三角形状をしています。役割としては手首の骨を衝撃から守る他、安定性を維持するともいわれています。
症状としては、手首の小指側付近の圧痛・手首を捻る動作や小指側へ曲げるなどTFCC部への圧・ストレスが加わると痛む・炎症症状や損傷が強い場合は安静時痛があり腫脹もみられます。
画像所見としては、軟骨部分のためレントゲンには写し出されないためMRIや超音波で評価します。
(超音波は手軽に観察でき安価なため頻用されるます)
治療方法としては、外傷性が強いもの・損傷度合いが大きい場合は数週間固定を行う事もありますが、その後は手首周りの靭帯や腱の動きを良くしたり前腕からの筋肉の緊張がより痛みを強め悪化させてしまうためストレッチ等のアプローチをし負担を減らします。当院では、超音波やレーザー治療器・鍼灸等で治りを早くする事が可能です。場合によってはテーピングやシーネ・ギプス等で固定させて頂く場合もございます。
TFCC損傷を軽視すると難治性といい治るのに時間を要したり、痛みが残存する可能性もありますのでその様な症状を感じましたら当院へご相談下さい。
2016.09.14
有痛性分裂膝蓋骨(bipartita-patella)
先日、有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)(bipartita-patella)様の症状を訴え来院された方がいらっしゃいました。
思春期に多いオスグッド病や膝蓋腱炎(ジャンパー膝)等に比べ発生頻度は少ないですが、割とみられる疾患ですが分裂膝蓋骨の原因は未だに定説はなくはっきりとは分かっておりません。
分裂膝蓋骨は無症候性であれば問題にならないが、痛みを伴う事で有痛性分裂膝蓋骨として治療の対象となります。
臨床症状としては、患部の腫脹・膝も曲げた際の痛み・叩打痛(tapping pain)(膝のお皿の中心を叩くと分裂している部位が響くように痛む)がみられます。その他にも、膝の不安定感・膝くずれといい「ガクンッ」と膝が外れる時がある等の症状を訴える方もいらっしゃいます。
一般的にレントゲン上の分裂形態はSaupe分類が有名で、このⅢ型(外上縁)が75%を占め、有痛性へと移行しやすいとされています。
この有痛性分裂膝蓋骨は成長期におけるスポーツ障害として広く知られており、ほとんどの症例が保存的治療(手術せずに)で軽快するといわれていますが、痛みが長引くとスポーツを中止しなければいけない場合もあります。
有痛性へと移行しやすいⅢ型の膝蓋骨(お皿の骨)の外上縁には大腿四頭筋の中の外側広筋(がいそくこうきん)という筋肉が付着しており、その筋肉が疲労や運動量の増加により硬くなり柔軟性が低下する事によりお皿の骨を上方に引っ張り上げてしまい痛みをより増強させてしまうといわれているため、いかにその牽引力を緩めるかが大切になってきます。
当院では、少しでも早く痛みが軽減するようストレッチや超音波・レーザー治療以外にもテーピングでのサポートや姿勢調整等でアプローチさせて頂きます。
この様な症状でお困りの方やスポーツ復帰できずに辛い思いをされていましたらお気軽にご相談ください。
2016.08.30
下肢のシビレ・鈍痛・ダルさがなくなる治療手技
下肢(足)にシビレや鈍痛・重ダルさなどを感じる方も多いかと思われますが、その症状は実は腰からきている可能性があります。
それは何故かというと、足の運動・感覚を司っている神経は腰から出ているからで、何らかの原因で腰から足にかけて、どこかの部位で神経が圧迫を受けるとシビレ・重ダルさ・痛み・灼熱感・知覚鈍麻・知覚過敏・麻痺などが症状として現れます。
その様な方は、病院では腰椎椎間板ヘルニア・坐骨神経痛・腰部脊柱管狭窄症などと診断される事が多く牽引をする事が一般的ですが、牽引をしてみても薬を服用してみてもなかなか下肢のシビレ・鈍痛・ダルさが無くならずお悩みの方も多いかと思います。
当院であれば、そのダルさを一回の治療でなくすことが可能です。(個人差がありますので一回で症状が消失する方もいれば数回かかる方もいますが…)
上記の様に、一回で…というような表現をすると、インチキ(笑)なイメージをされる方や何か特殊な治療や身体に負担が大きな治療をするのではないかと不安に感じる方もいらっしゃいますがそうではありませんのでご安心ください。
もう少し細かく説明させて頂くと、下肢にでる症状の中でも腰椎(腰)が原因で重ダルさやシビレが生じているものに関しては特に効果が期待できるということです。
どのような手技かというと、腰の骨と骨の間から神経が出ており、その隙間の事を椎間孔(ついかんこう)といいそこの隙間を拡げてあげると神経の圧迫がとれ下肢に出ている症状が軽減若しくは消失する。というものです。
特別、骨を「ボキボキ」鳴らす様な手技ではなく痛みも伴わず安全な手技のためどなたでも安心してお受け頂けます。
ですので椎間孔付近での神経の圧迫が原因で生じている下肢の症状以外の場合はこの手技をしても効果は期待できませんが、どの症状にも理由があって症状が出てくるのでまずは、問診や各種徒手検査・エコーにて状態を診させて頂く必要があります。
下肢の重ダルさ・鈍痛・シビレなどでお悩みの方は当院にご相談下さい。
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