2016.07.15
吸い玉療法(cupping therapy)
みなさんは吸玉治療をご存じですか?
吸玉療法は、古代から世界中で行われてきた手法でその中で最も盛んだったうちの一つがフランス、他にもイギリスではカッピングと呼ばれ、広く用いられていました。そんな大昔から今現在でも残されているのは、吸玉療法がいかに生活の中に溶け込んでいるかがお分かりになると思います。
現代でも、痛みや凝りを解消する目的の他、ダイエットやエステなど美容分野でも活躍の場を広げています。
効果としては、鎮痛作用・血管拡張作用・温熱作用・皮膚を通じて解毒排泄作用他が期待されます。
分かりやすくいえば、血行が改善され老廃物が血液と一緒に洗い流され、痛みや凝りが軽減される。ということです。
身体の状態や調子によって血液の流れが悪いところほど黒に近いムラサキ色のあとが残ります。
慢性的な肩こり・腰痛など痛みでお困りの方におすすめです。
初めての方は施術後の赤い跡に驚かれる方もいらっしゃいますが、しっかり消えますのでご安心ください。
2016.07.13
膝の痛み(gonalgia)には鍼も効果的です
膝の変形があり、動きだしの一歩目が痛く安静時痛(じっとしていても痛い)や夜間痛(痛みで眠れない)もみられる患者様が来院され、しばらく電気治療や手技で治療していましたがなかなか痛みが改善されず辛い日々をお過ごしになっておりました。
症状の変化が大きくみられなかったため「鍼治療」を希望されました。
変形による痛みと、それをかばうため筋肉に過剰な力が入って硬くなり鵞足(がそく)部(膝関節の内側下部)にまで痛みが出現しておりましたので、
膝の痛みに効果的とされる経穴(ツボ)と痛みの原因と考えられる筋肉へ鍼治療を施しました。
すると翌日には、安静時痛や夜間痛がほぼ治まり炎症症状が緩和されたとのことでした。今までなかなか治まらなかった膝の痛みが一回の
「鍼治療」で軽減するなんて施術側の私までうれしく感じました。
患者様によって鍼が合う・お灸が合う等、人それぞれですがその患者様にあった最善の治療方法を提供できるよう心掛けております。
膝の痛みで長く苦しんでいる方は是非、お気軽にご相談下さい。(鍼以外にも治療方法はございますので鍼が苦手な方でも安心してご相談下さい)
2016.07.12
学童期に多い踵(かかと)の痛み
小学生に多いとされる踵の痛みで圧倒的に多い疾患が、Sever病(踵骨骨端症しょうこつこったんしょう)です。
特にスポーツをしている子に多く、習い事や運動会のシーズンになり運動量が増す頃になると踵が痛いと言って受診されるケースが多くあります。Sever病(セーバー病)・踵骨骨端症と名前を聞くと、「何か悪い病気かな」と心配さる方もいらっしゃると思いますが、ご安心ください。今回の痛みだけに限らず、成長期の骨端症(いわゆる成長痛)は、最終的には痛みの消失を認める良好な疾患ではあります。とは言いましても放置して治る人ばかりではなく、そのままの状態でスポーツなど運動を続けていると踵に加わる度重なる衝撃は病態終焉の遅延化を招き、疼痛のためパフォーマンスが制限され、練習にも参加できず支障をきたす事もあります。つまり、放置しているとどんどん状態が悪くなり痛みがまし、そのため治りが遅くなり練習に参加できないのでレベルが上がらず、上達できない。なんて事も見受けられます。
小学生の頃は骨(軟骨)がまだ弱く、走るたびに踵の部分に衝撃・ストレスが加わり炎症が起き痛みが発生します。
微小循環障害の関与や骨が癒合(成長)するまでは力学的に脆弱(ぜいじゃく)な事やアキレス腱などが硬い事、スポーツ量の急激な増加などが原因として考えられます。
臨床所見としては、アキレス腱付着部(踵の)の圧痛・アキレス腱の短縮・踵骨後方で下部1/3での内外側の圧迫テスト陽性などがあげられ、自覚症状は、踵の部分を押すと痛む・特にスポーツ後に痛みが増す・悪化すると日常生活の中でも痛みが出る事です。
最初にもお伝えしたように、最終的には痛みの消失を認める予後が良好な疾患であり安静によって軽快(痛みが治まる)しますが、軽視していると運動の再開によって再発することが多く経過は長期にわたる場合もあります。
治療方法としては、踵の部分へ加わる衝撃を軽減させるため、パッドを入れる事・アキレス腱や足底(足の裏)の筋肉が硬い事が多く柔軟性が低下している事が多いため各筋肉のストレッチ・踵部分へレーザーや超音波治療器を用い痛みや炎症を抑える事などが大切です。
場合によってはテーピングをすることで痛みを抑えスポーツを続けながら治療することも可能です。
スポーツによる痛みでお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
2016.07.06
ばね指(snapping finger)
指の掌側(手のひら側)の痛みを訴え来院された患者様がいらっしゃいました。以前から指を曲げるとカクカク音がするのが気になっていたが、今回壁に指をぶつけて痛みが増したため来院されたとの事でした。
この指を曲げると「カクカク音がする」という症状で最初に思い浮かぶのが、ばね指(snapping finger)です。
この「ばね指」とは腱鞘炎とは少し違い、腱が肥厚(分厚く)したり輪状腱鞘(pulley)という腱が浮き出てこない様に止めておくバンド状のものが狭小化し、結果的に腱の滑走が障害されて「引っかかり感」が出現します。
手のひら側の腱(スジ)には5つの輪状腱鞘(pulleyA1~A5)(プーリー)と3つの十字腱鞘(C1~C3)(文献により多少異なります)があり、その中の A1 pulley部の腱鞘が狭小化(トンネルが狭くなるイメージです)し通過障害をきたします。
症状としては、A1部(手のひら側の指の根本)に圧痛(押されると痛い)があり触ると硬結(コリコリした感じ)を触れ、指の屈伸時に弾発現象(カックンカックンする感じ)があり悪化すると痛みやロッキング現象(指が曲がったまま伸びない)が出現します。
成人では拇指・中指・環指(1・3・4指)に多いとされています。
治療方法は、手術せずに保存療法となる場合と、手術にて腱鞘を切除(狭くなったトンネルを切って広げる)する場合があります。
手術を選択される症状は、指にロッキングが発生し自力で伸ばせなくなった場合(反対の指で伸ばさないと戻らない)、勧められることが多いです。ですのでカクカク、音がしたり自力で指を戻せる状態であれば保存療法で治療していきます。(最終的な判断をされるのは医師ですが…)
指にある腱は前腕(肘下)まで繋がっており手首を越えたあたりから筋肉に変わります。ですので指先の腱の部分だけでなく前腕の筋肉の状態も重要で筋肉の弾力・柔軟性を獲得していくことにより腱の滑走(すべり)も変化していきます。
当院では、圧痛部位に超音波・レーザー等を使用し痛みを軽減させ循環を良くしていくと共に筋肉をストレッチや手技で緩め弾力性を高めます。
鍼灸、特に鍼も有効的だと思います。また手術をした後、皮膚の癒着が強く関節が固くなり曲げ伸ばしが困難になる場合(硬縮)もございますのでその様な症状でお困りの方もお気軽にご相談下さい。
2016.06.18
足底腱膜炎 Aponeurosis plantaris
足首を捻り外くるぶしの痛みと足の裏側の痛みを訴えて来院された患者様です。
症状としては、足底の特に踵(かかと)付近の痛みがあり歩き出しの第一歩目が激痛とのことでした。
足底部の痛みとして考えられるのが、今回の足底腱膜の痛みや、腰からくる神経痛、小学生であればsever病(いわゆる成長痛)のあたりをまず念頭に問診を進めていきます。(他にも幾つか考えられる疾患がありますが割愛)
今回の場合は、70代女性のためsever病は除外され残りの、腱膜の痛みか腰からの痛みかにしぼられました。腰付近にも痛みがあったため神経による痛みも考えられましたが、各種徒手検査にてその様な徴候はみられませんでした。
患者様の話を聞いていくと、「朝起きた時にベッドから起き上がる際の一歩目で足の裏側をズキンッと針を刺されたような痛みがでる」とおっしゃっておりこの言葉がでた時点で足底腱膜炎を、より強く疑います。
(患者様の声を聴くことは原因を探る近道となりますので大変重要です。)
問診後に触診し、足底腱膜炎特有の症状である圧痛(押された時の痛み)や疼痛が確認できたためこの痛みだと判断致しました。
足底腱膜炎とは、踵骨付着部(かかとの辺り)において腱膜(すじ)の繊維の微細損傷を生じて炎症を起こすためと考えられており、スポーツによる使いすぎ(over use)や加齢性変化(高齢者)が原因となる症例が多く、先ほども述べたように朝の起床時の一歩目に踵(かかと)付近の疼痛が足底腱膜炎の決め手となります。急激な体重増加・過度な運動・長時間起立・痛風・関節リウマチ・ふくらはぎから足底の筋肉のツッパリ感・偏平足など特徴的な足の骨格などが発症の因子としていわれております。
治療プランとしては、急性期(炎症が強い場合)は安静・アイシングとし、徐々にストレッチや手技により筋肉の柔軟性・弾力性をつけ負担が軽減できるようにしていきます。
当院では、超音波治療・レーザー治療等により組織の修復・治癒能力の促進を図りより早期に痛みが軽減されるように治療していきます。またホームエクササイズ等ご自宅で行って頂けるような運動もご指導致します。
お悩み等あればお気軽にご相談ください。
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