2023.08.24
手が痛いのは腱鞘炎ではなくリウマチ?こんな症状がでたら要注意
手が痛いのは腱鞘炎ではなくリウマチ?こんな症状がでたら注意しよう
指先が痛い・手首が痛いといったお悩みで当院へ来院される患者様は多くいらっしゃいますが、その痛みの原因が何かを追求する事は非常に重要です。
それは、タイトルにもあるように同じ手指の痛みでも単なる関節炎や腱鞘炎ではなく「リウマチ」である可能性も考えられるからです。
症例紹介
まず先日、受診された患者様のお話をさせて頂きます。
70歳代男性
職業:縫製業で手先を酷使する仕事
現病歴:糖尿病・高血圧
スポーツ:剣道
主訴:1カ月前から続く両手首の痛み
症状:両手首~手指の痛み、腫れ・手指全体の熱感・朝のこわばり(1時間以上続く)・書字、箸を使う、服のボタンの取り外し等の巧緻動作がし辛い
元々、肩関節のリハビリのため近隣の医療機関(整形外科)に通院されていたので診察時に手の痛みを伝えたが、医師から「肩のリハビリが落ち着いたら手の治療をしましょう」と言われ診てもらえなかったため当院へ受診。
ご本人の認識としては、手首に強い痛みと腫れがあったため腱鞘炎だと思われたそうで鍼灸治療を希望されておりましたが、問診時に直ぐ腱鞘炎ではなくリウマチの疑いが強いと感じました。
この患者様の症状は腱鞘炎や関節炎でもみられる症状もありますが、同時期に左右対称(同部)な関節の痛みと腫れ・朝のこわばり(緩解するまで1時間)といった下記に記載する関節リウマチの判定基準と重なる部分が多く、特異的な症状がみられました。
エコー(超音波観察装置)にて手首周辺のチェック
手関節(手首)に炎症反応が顕著に確認されたためよりリウマチの可能性が高まりました。
帯状に拡がる赤くなっている箇所が炎症反応だよ
関節リウマチの判定基準はどうなっているの?
※上記の7項目中4項目以上当てはまる場合は関節リウマチと診断
※項目1~4は6週間(1カ月半)以上持続していること
関節リウマチと診断するためには上記の基準が基本ですが、近年では治療薬や検査技術等の進歩により早期発見・早期治療をすることで進行をかなり抑える事が可能にはなってきました(完治とまでは至らない)
ですから、より早期に発見する事が重要となるため、2010年米国リウマチ学会/ヨーロッパリウマチ学会による関節リウマチの分類基準が新たに設けられました。
関節リウマチと診断
上記の患者様は以上のことからリウマチである可能性が高かったため、再度医療機関へ受診するようにお伝えし、後日連絡を頂きました。
医療機関にて血液検査を受け、結果が出るまでに数日を要するが早期治療が重要なため直ぐに治療薬を処方された。との事で、リウマチを疑って再度病院へ受診する事を促してくれてありがとうと感謝のお言葉も頂きました。
当院(鍼灸接骨院)としてできること・大切な事…
当院は医療機関(医師)でないため、薬の処方や血液検査は出来ず、リウマチと診断する事も出来ません。
しかし、今回の患者様の様にご自身がリウマチだと気付かず、単なる関節炎や腱鞘炎だと思い当院や他の鍼灸院・接骨院へ受診される事は少なくありません。ですから、まず正しい評価をする事が大切だと思います。今回の患者様の場合、1カ月以上経過して当院へ受診された程ですから一刻も早く適切な治療を受ける必要性がありましたので、直ぐに医療機関に再受診して頂くように促せた事が最善の判断だったと思います。(仮にリウマチの疑いに気付かず数カ月間治療していたら更に症状を悪化させてしまっていたかもしれません)
治療・施術するだけが良いとは限らないんだね
ちなみに…
WHO(世界保健機関)が認める鍼灸治療の適応疾患の中に関節リウマチも含まれています。
関節リウマチが完治するという事ではありませんが、痛みのコントロールや他症状の悪化を防ぐ目的で治療します
手が痛いのは腱鞘炎ではなくリウマチ?こんな症状がでたら要注意まとめ
手関節(手首)や指先に痛みや腫れが出現した際は関節リウマチの初期症状の場合も考えられることは、ここまでのお話でご理解頂けたと思いますので、まとめさせて頂きます。
・朝、起床時に手のこわばりを感じる(緩解するまでに数十分以上かかる場合は特に注意)
・手首や指の関節が腫れる、熱っぽい(転んで手を突いた、手を酷使した等の明らかな原因(外傷)が無いにも関わらず突然腫れた場合は特に注意)
・同時でなくとも同時期に左右同じ場所が痛い、腫れる
・1か所に留まらず、3か所以上の関節が痛い
上記の症状がより多く当てはまる場合はリウマチの可能性が考えられますので、早急に医療機関へ受診される事をオススメ致します。
尚、当院でリウマチに対して鍼灸治療をする際は、必ず医療機関(リウマチ専門医)と併用し、定期的に医師の診察をお受け頂きながら治療させて頂いております。
お願い!!
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2023.03.29
耳なりや難聴で鍼灸治療を受ける際の注意点を1から徹底解説
耳なりや難聴で鍼灸治療を受ける際の注意点を1から徹底解説
耳鳴りや難聴は鍼灸治療が効果的という事は前回の記事でお話させて頂きましたが、当院へ受診頂く際の注意点がありますのでご説明させて頂きます。
尚、この記事をお読み頂く場合は前回の記事と併せてお読み頂くと分かりやすくなっておりますので、お時間に余裕のある方は先に前回記事からご覧ください。
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では、ここから解説させて頂きます。
耳なりや難聴が発症したら医療機関に受診
耳鳴りや難聴は、ある日突然に発症する(急性)場合と何となく音がする・聞こえにくい等といった症状が数回続き、その後頻繁になっていくような徐々に発症(慢性)する場合があります。この2つのうち突然発症する急性の耳鳴りや難聴は脳卒中等の危険な病気が潜んでいる可能性があるので早急に医療機関へ受診した方が良いですが、どちらにしてもまずは医療機関へご受診頂く事をお勧め致します。
当院にも同様の症状でお悩みの患者様が多くご来院されますが、ほとんどの方が発症後に当院へ直ぐに受診される事はなく医療機関を転々とされる中で当院へたどり着くケースが多いのです。
通院例…
- 耳なり、難聴が発症
- 耳鼻科や脳神経科へ受診し各種検査をするも異常なし(首や肩の凝り・ストレスによる自律神経の乱れが原因では?と説明を受ける)
- 整形外科へ受診し、レントゲン他各種検査異常なし、リハビリ等を受ける
- 症状が改善しない為、ネットで検索し鍼灸が有効と知る
- 鍼灸院(当院)へ受診
上記、通院例の様な順序を経て当院へ受診される事が多くみられます。ここで注意して頂きたい点は、発症直後は耳鼻科や脳神経科に受診する事です。なぜなら、耳鳴りや難聴は聴神経腫瘍他、脳腫瘍や脳卒中の危険性や脳内の病気、耳鼻科領域の病気の症状として出現する場合もあるからです。
ですが、ほとんどの患者様は検査しても特に異常はなく肩こりやストレスからくる自律神経の乱れが原因ではないか?と説明を受け薬を処方され様子見。という事が多いと思います。
耳なり・難聴の原因は未だに分からない事が多いけど怖い病気が潜んでいないかを検査する事は大切だね
耳鳴り・難聴症状は早期治療が重要
当院へ受診された患者様からのお声で多いのが、「鍼灸治療を受けるタイミングが分からなかった」という事です。受診・治療開始するタイミングとしては、医療機関(耳鼻科等)へ受診し各検査をお受け頂いた後は早期治療する事が改善率向上につながってきます。
ここで、当院へご来院された患者様の一例をご紹介させて頂きます。
磐田市在住、50歳代女性
突然、片耳が聞こえづらくなり耳鳴りを感じる様になったため、近隣の耳鼻科へ受診。
各種検査を受け、ある一定の音域が聞こえていないが大きな病気はなく、ストレスからくる自律神経の乱れや首や肩の凝りからきているのでは?と説明を受ける。
耳鼻科受診日から三日後に当院へ受診し、鍼灸治療等を受ける。
鍼灸治療翌日の朝、耳鳴りがしていない事に気付き、体感的には難聴も回復した。
耳鼻科へ1週間後に再受診し聴力検査を受け、初診時に聞こえていなかった音域も聴こえる様になり検査上でも異常なしと説明され、翌週に再受診し特に異常が見られなかったため終了した。
上記の患者様はこの時が初発症状であり、耳鼻科領域の病気もなく首肩の周りの凝り・血行不足が原因と推測、早期治療が行えた事が改善までの期間が短くなったのではないかと考えます。もちろん全ての患者様が直ぐに改善するばかりではありませんが、早期治療が大切な事は確かだと思います。
突発性難聴について
突発性難聴は、突然片方の耳(極稀に両耳)が聴こえない・聴こえづらくなる原因不明のものの総称で好発年齢は40~60歳代です。
原因は未だにはっきりと解明されていませんが、血流障害やウィルス感染が原因ではないかと考えられ、ストレスによる自律神経の乱れや過労・睡眠不足等も関連しているのでは?とされています。
突発性難聴と診断されると、まずステロイド薬を経口または点滴にて投与(症状によっては入院)します。そこから症状に合わせて薬の量や種類を変更し様子を見ますが、高気圧酸素療法(医療用酸素カプセル)も一定の効果が期待できるため医療機関にて勧められる場合もあります。
当院にも突発性難聴と診断され入院治療(ステロイド薬を点滴投与)を終え、退院後、高気圧酸素療法の通院と並行して受診される患者様もいらっしゃいます。こちらも鍼灸治療をお受け頂くタイミングとしてはなるべく早い方が良いと考えております。
ちなみに…
突発性難聴と診断された場合は、各都道府県により多少異なりますが医療費助成の対象となる事があるのでお住いの県ホームページにてご確認下さい
耳鳴りや難聴は鍼灸治療でよくなるの?
当記事をお読み頂き、初めて鍼灸治療が耳なりや難聴に有効?という事を知った方もいらっしゃるかもしれませんが、WHO(世界保健機関)でも鍼灸治療が有効な疾患の中にも提唱されておりますし、ストレスや自律神経の乱れ、肩こりからくる血流不足が原因と考えられる場合は改善が期待できると思います(100%治るというわけではありません)ので、同様の症状でお悩みの方は一度お受け頂く事をオススメ致します。
ストレスは万病の元
耳なりや難聴に限らず、過労や睡眠不足・精神的ストレスは万病の元といっても過言ではなく、コロナ禍以降、それらが原因で体調を崩されて当院へ受診される方が増えましたが耳鳴り・難聴が理由でご来院される患者様が多いです。
性格や生活環境、職種等は十人十色ですから一概にはいえませんが、ストレスは極力溜めず、過労気味であれば意識して休暇をとる、睡眠時間を増やす、適度な運動をする等してリフレッシュすることも大事だと思います。
耳なりや難聴で鍼灸治療を受ける際の注意点を1から徹底解説まとめ
耳なりや難聴(突発性難聴)が発症し鍼灸治療をお受け頂くまでにして頂きたい事について説明させて頂きましたので、まとめさせて頂きます。
まとめ
- 耳なり、難聴が出現した場合、まずは耳鼻科や脳神経科等医療機関へ受診
- 急性(突然)発症する場合は、脳卒中等の重篤な病気が潜んでいる可能性がある
- 医療機関へ受診し各検査を受け、特に大きな異常が見られなかった場合、なるべく早く鍼灸治療を開始する事で改善率向上
- 突発性難聴は原因がはっきり解明されていないが、ウィルス感染や血行障害説の観点からステロイド薬を経口または点滴投与、高気圧酸素療法も有効とされている
- 突発性難聴は難病指定(特定疾患)されており県から医療助成を受ける事ができる(県ごとによってことなる)
- 睡眠や食事、適度な運動等の生活習慣の見直しや精神的なストレスを溜めない、適度な休息をとる等も大切
ここまでお読み頂きありがとうございました。もし耳なりや難聴等の症状でお悩みの方、当院で治療を受けてみたい場合はお気軽にご連絡下さい。
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2023.01.12
耳鳴りや難聴の症状には鍼灸治療が有効です。1日でも早く受診しよう
耳なりや難聴の症状には鍼灸治療が有効
耳鳴りや難聴でお困りの方が当院にも多く来院されますが以前に比べ新型コロナウィルス感染拡大以降、急激に増えました。耳鳴りや難聴の原因は耳の問題や脳腫瘍・首や肩のこり・精神的ストレス等、様々な原因があるとされていますが、コロナ騒動以降に増加したことを考えると精神的ストレスの高まりも大きく関係しているのではないかと思います。
当院は静岡県磐田市にありますが、ジュビロ磐田に所属する元日本代表の大津祐樹選手が2022年6月に突発性難聴と診断され治療に専念された事が話題になりました。
翌月には完治したと報告されました。良かったぁぁ
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耳なり・難聴の原因
耳なりや難聴の原因は上記でもお伝え致しましたが様々な原因が考えられます。
耳なりや難聴の原因…
- 耳の中(外耳、中耳、内耳)異常
- 脳腫瘍
- 首や肩の筋肉のコリ
- 精神的ストレスからくる自律神経の乱れ
上記の様な原因が考えられますが、耳鼻科・脳外科領域の問題は当院では治療範囲外ですので割愛させて頂き、首こり・肩こり・自律神経の乱れが何故、耳鳴りや難聴を引き起こしてしまうかを説明させて頂きます。
肩こりが耳なりや難聴と関係あるの?
首~肩にかけて様々な筋肉が付着していますがその内部には血管や神経も走行しています。ですから、その周囲の筋肉が凝る(硬くなる)と血管や神経が圧迫を受ける事で様々な身体のトラブルが出現する事があります。
当然ですが人体にとって血液は必須ですが、耳も同様で内部からも外部からも血液供給され機能しています。心臓から出た血液は首を通り耳まで運ばれるため、凝り固まっている筋肉付近に血管があると上手く通過できず滞りが生じ、耳鳴り等のトラブルが発生すると考えられています。
ですから、この場合は凝り固まった筋肉をほぐし緩める事で症状の改善が期待できるのでストレッチやマッサージ等が有効です。
自律神経の乱れが耳鳴りや難聴の原因になるの?
自律神経は身体の様々な部分をオートモードで維持・調節してくれる優れた器官で、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。
この交感・副交感神経神経は拮抗作用がありバランスを保つことで生命を維持しますが、耳なりや難聴への影響として考えられるのが「ストレス」です。
人はストレスを受けると交感神経が高まるのですが、その中に毛細血管の収縮作用というものがあり毛細血管を「キュッ」と縮めてしまうため血行不足が生じ、耳への血液の供給が不足するため耳鳴りや難聴を引き起こしてしまいます。
ストレスや自律神経の乱れには鍼灸治療が効果的です。
肩こりや腰痛もストレスが原因となる事は医学的にも証明されてるんだよ
上記の事から筋肉のコリや自律神経の乱れ(ストレス)が耳なりや難聴の原因となる事は何となくご理解頂けたと思います。では次にどの様な治療方法を当院でご提供出来るのかを紹介させて頂きます。
耳なりや難聴に対しての当院での治療内容
ここまで耳鳴りや難聴について解説させて頂きましたが、当院での治療プランをご紹介させて頂きます。
鍼治療
鍼を刺すツボ(部位)は大きく分けて首~背部(背中)と耳周囲~頭部です。首の周辺には自律神経が多く存在し、また筋肉の緊張を緩める事を目的とし耳周囲には耳なりや難聴に効果があるとされるツボ(耳門・聴宮・聴会・角孫・翳風等)、頭頂部の百会は自律神経を整えるツボとして有名です。
鍼って痛そうに感じるけど全然痛くないよ。当院では、鍼治療が初めてって患者様もほぼ全員が想像していたよりも痛くなかったと言ってくれるよ。もしどうしても鍼が怖いって方はお灸でも治療が可能だよ
星状神経節部への近赤外線照射
喉仏の両脇の数cm奥には星状神経節という交感神経の束があり、そこに近赤外線治療器を照射し神経の興奮を抑え副交感神経(リラックス状態)優位な状態にします。
耳鼻科でも近赤外線照射治療を行っている所もあるから安心してね
上記2つの治療方法以外にも患者様、一人一人の症状に沿った治療プランで治療させて頂きます。
耳なりや難聴の症状には鍼灸治療が有効まとめ
耳なりや難聴の原因は未だ解明されていない事も多く、医療機関(耳鼻科・脳神経科・整形外科等)で各種検査をしても異常が見つからず、「肩こりやストレスが原因でしょう」と説明され、数カ月後に治療終了となってしまいどうしたら良いのかとお困りの方が当院へ多く来院されるケースがあります。鍼治療や近赤外線治療を行う事で、肩こりが解消しストレスによる自律神経の乱れが改善され耳なりや難聴が回復する方もいらっしゃいますので同様の症状でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
注意!
耳なりや難聴の原因が耳や脳の異常(脳腫瘍等)で出現する場合もありますのでご心配な方は一度検査をお受け頂く事も大切です
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2022.10.25
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減シリーズ1腰痛に対しての貼り方
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減シリーズ1腰痛編
円皮鍼というものをご存知ですか?googleの検索候補には「針シール」・「シールの真ん中に針」等と出てきますが、正式な名称は円皮鍼(えんぴしん)または皮内鍼(ひないしん)といいます。
以前にも当ブログで円皮鍼について詳しくご説明させて頂きましたので、どんなものか詳しく知りたい方は下記よりご覧下さい
上記記事で貼り方やどんな効果が期待できるか等は、お分かり頂けたと思いますのでここからは応用編のお話をしていきます。
今回は腰痛に対して貼る位置やツボをご紹介していきます。
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減:腰痛に効くツボ
腰痛といっても全てが同じ原因・症状という事ではありませんので、円皮鍼を張る場所・ツボの位置はは全て同じではありませんが、今回はシンプルにギックリ腰や慢性腰痛症に対してのアプローチ方法を紹介させて頂きます。
腰痛に効くツボ
- 大腸兪(だいちょうゆ)…腰骨の一番高い位置(ヤコビー線)で背骨から約指2本分
- 腎兪(じんゆ)…ウエストの一番くびれている高さで背骨から約指2本分
- 志室(ししつ)…ウエストの一番くびれている高さで背骨から指4本分(腎兪と同じ高さ)
- 委中(いちゅう)…膝裏のど真ん中
- 腰腿点(ようたいてん)…手の甲側、2-3指の間と4-5指の間で指先から手首に向かってなぞっていき一番凹んだ部分・押すと鈍痛を感じる場所(腰痛点ともいう)
- 環跳(かんちょう)…臀部(お尻)のやや外側で力を入れるとくぼむ部分(お尻のえくぼ)
上記以外にも腰痛に効果的なツボもありますが、この6つは使用頻度が高いためオススメです。
⑤の腰腿点(腰痛点)は特にギックリ腰(急性腰痛症)の際に用いられる事が有名ですので、起き上がるのも辛い・痛くて一歩も動けない・じっとしていても「ズキズキ」と痛む等の症状が強い方はおさえて頂きたいツボです。また、今回は円皮鍼を張る場所としてご紹介させて頂きましたが、指で押してツボを刺激するだけでも一定の効果が期待できますのでお試し下さい。
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減:貼り方は簡単?
貼り方は簡単…
まずは貼りたい場所(患部)をアルコール消毒
(エタノール等をコットンやティッシュに付け患部を拭く)
円皮鍼を容器から取り出す
白い紙テープの部分を持ち剥がす(不器用な方はピンセットを使うと便利です)
片面のシールを剥がして刺したい場所にフワッと置く(この時点では鍼は刺さっていません)
しっかり垂直に鍼が刺さるよう真下に向かってデコピンをする様な形で刺します
そこからもう片面のシールを剥がしておさえる
貼り終えた後、チクチクしたり違和感がなければしっかり貼れています
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減:オススメの商品は?
上記までで腰痛の際に効果が期待できるツボ・円皮鍼の貼り方はご理解頂けたと思いますので、最後に類似商品が多くある中でオススメな商品を紹介させて頂きます。
(株)セイリンは業界内でも最上位メーカーとして認知されており、安全面を考えても間違いなく安心できるといえるでしょう。
鍼の長さは効果・刺した時の痛み等を考えると0.6㎜が最適だと考えますが、使用してみてあまり効果を感じられない・多少「チクッ」としても平気な方は0.9㎜をお試し頂いても良いかもしれません。
また、どんなに短くとも針をセルフで刺すことに抵抗を感じる方は0㎜という刺さない針もありますのでそちらがオススメだと思います。
円皮鍼(針シール)で痛みを軽減シリーズ1腰痛に対しての貼り方まとめ
腰痛が慢性的にある・年に数回は仕事もできない、起き上がれない程の「ギックリ腰」等を繰り返してしまう方はこの円皮鍼を是非試してみて下さい。
そして腰痛は様々な原因・要因があるため一概にはいえませんが、腰だけに問題がある事は少なく、臀部や下肢の筋肉の硬さや股関節の可動範囲、腹筋群・背筋群が関連している事の方が多いのでそちらへのアプローチも重要ですので、総合的に腰痛にならぬ様身体づくりをしていきましょう。
円皮鍼他、セルフケアをしても痛みが軽減しない場合は、当院や近隣の医療機関等に受診される事も検討されると良いと思います。
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2022.02.15
ぎっくり腰の対処法は安静?正しい対処法を1から解説
ぎっくり腰の対処法は安静?正しい対処法を1から解説
ぎっくり腰の対処法について聞かれる事がありましたので、今回はギックリ腰になってしまった際の適切な対処法や症状等についてご説明させて頂きますが、先に結論から申し上げますと受傷直後(1~2日)以降の安静は✖です。
ぎっくり腰の患者さん急増
ここ1~2週間以内で当院だけでも10人以上の患者様が歩けない程の急性腰痛症(ぎっくり腰)でご来院されましたが考えられ理由としては、やはり寒さが関係している様に感じます。
気温の低下により身体が冷えると毛細血管が収縮し、血流量が減少するため筋肉の柔軟性・弾力性が低下し硬い状態になります。
肉離れの説明をする際にもよく例え話をさせて頂くのですが、調理直後の温かい状態のお肉は引っ張ると「ビヨーン」っと伸びますが冷めたお肉は「ブチンッ」と切れてしまうと思います。人間の筋肉も同様で冷えや血行不足になると傷めやすくなります。
したがって寒い時期は特に身体を冷やさないように心がける事が大切です。
ぎっくり腰(腰痛)になる原因は?
ぎっくり腰の原因(特に冬季)として考えられる事は上記でもお伝えしましたが、寒さや身体の冷えが関係しています。そして、それ以外にも医学的根拠が認められている原因や医学的には明確な根拠はないが関連性はあると考えられている原因等がありますので簡単にご紹介させて頂きます。
ちなみに…
そもそも腰痛の原因(椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症等)がはっきりと明言されているものは全体の15%程度で残りの85%は原因不明ともいわれている側面もあります
- 殿部や下肢筋肉の硬さ・緊張
- 股関節の硬さ・可動域減少
- 腹筋群や背筋群の筋力低下
- 精神的ストレス
- 肉体的ストレス
殿部や下肢筋肉の硬さ・緊張
殿筋(お尻の筋肉)や太ももの筋肉は骨盤に付着しているものが多く、それらの筋肉が硬い状態や左右のバランスが崩れると骨盤の高さや傾き等の位置が変わります(一般用語でいう歪みやズレ)。そのバランスを保つために背骨(腰椎)が過剰に反ったり左右に傾いたりしてしまう事で腰の負担が増大し腰痛となります。
股関節の硬さ・可動域減少
股関節の可動範囲が狭いと、その代償は腰椎が担うため負担が増大し腰痛が発生します。
代表的な例でいうと股関節の前方部分(関節包や腸腰筋)が硬いと腰椎が過剰に反ってしまい「腰椎分離症」という疾患のリスクが高くなります。
腹筋群や背筋群の筋力低下
背筋が腰痛に影響する事はイメージしやすいと思いますが、腹筋も同様です。腹筋群の筋力が低下すると腹圧が下がるため背骨(腰椎)の前方部分の安定性が低下し腰の負担が増大します。
(例:腹圧が高い状態とは、お腹の中で風船をパンパンに膨らませ、その圧力で前方から背骨を抑えている状態。逆に腹圧が低い状態は風船が萎んだ状態)
精神的ストレス
精神的ストレスと腰痛は一見、無関係に感じますが実は大いに関係があり、医学的にも認められています。精神的ストレスを受けるとアドレナリンが上昇する事は知られていると思いますが、自律神経の中の交感神経が優位に働きます(副交感神経は交感神経とは拮抗し睡眠時や安静閉眼時・リラックス状態の時に優位となります)
この交感神経の働きの1つに毛細血管の収縮があるため、精神的ストレスを感じると全身の毛細血管が縮まり腰の筋肉が血行不足となり腰痛(ぎっくり腰・慢性腰痛)が発生します。
慢性的な腰痛症に至ってはこのストレスが原因となるケースが多く、メンタルクリニックと並行して治療を進める事も稀ではありません。
肉体的ストレス
ぎっくり腰となる原因で一番に思いつく事が肉体的ストレスではないでしょうか?仕事や家事等で重い物を持ち上げようとした際や洗顔をする際に屈んだ瞬間に「グキッ」と傷めてしまいます。しかし、以外にもギックリ腰になる際のシュチュエーションとして多いのは重い物を持ち上げる時よりも、何気ない動作(顔を洗おうと屈む・下に落ちた物を拾う等)で起きる事の方が多いように感じます。
これは、身体の準備が整っていない状態で体勢を変える事が原因だといえるでしょう。重い物を持ち上げる時はそれなりに足腰に力を入れ、構えた姿勢で持ち上げると思いますが軽い物を拾う・屈む等の動作ではそこまで身構えないので、その際に「グキッ」となり易いです。
ぎっくり腰の対処法は?直ぐ治療に行くべき?
ぎっくり腰は個人差もありますが、起き上がれない・歩けない・ベッドに横になれない程の方もいらっしゃいます。その様な状態であれば安静に寝ている事が最善だと考えてしまいますが、実は過度な安静は症状を悪化させてしまいます(昔は様々な病気・ケガは安静第一と考えられていましたが…)
ですから、痛みが治まるまでベッドで寝ているという事は避けましょう。
では、ぎっくり腰になった時はどうすれば良いかといいますと…
受傷(痛みが発生)直後、1~2日は家で安静にしましょう。なるべく楽な体勢でいる事が望ましいのですが、人によって楽な体勢が異なりますのでご自身で楽な体勢を探しましょう。
一般的には左右どちらか横向きになって「海老」の様に丸くなる体勢が楽だといわれていますが、仰向けの方が楽であれば仰向けでも良いですが、膝を伸ばした状態は「腰」が反ってしまうため痛みが増強する可能性が高いので注意しましょう。(座っている方が楽であれば無理に寝ていなくとも良いです)
整形外科や鍼灸接骨院等に通院しリハビリ・治療を受けるタイミングは、受傷直後、一歩も歩けない・身体を少し動かすだけでも激痛が走る様な状態で無理をして受診されるよりは、そこから少し痛みが下がり移動が多少可能になってからでも良いと思います。(痛み軽減のため医療機関にて痛み止め等の薬の処方を希望される場合は除く)
ぎっくり腰の時はコルセットを巻いた方が良い?
慢性腰痛症の場合も同様ですが、急性腰痛症(ぎっくり腰)の場合ではコルセットを付けた方が良いかといいますと必ずしも必要ではありません。
では、どの様な状態の時に装着すれば良いかというと実際にコルセットを巻いてみて痛みが軽減するようであれば巻く事をオススメしますが、患者様によってはコルセットを付けてもあまり痛みが軽減しないという場合は巻かなくても良いでしょう。
そもそもコルセットは腰痛を軽減(腰部の固定・仙腸関節等骨盤付近の安定化)させるメリットがありますが、逆に長期間の装着は腹筋群・背筋群の筋力低下や腰椎部の関節の可動範囲の減少といったデメリットを生じさせてしまいますし、長く装着すればするほど依存度が高まり腰痛が治まった状況でも不安が勝り外せなくなってしまい余計に腰痛を悪化させてしまう事が懸念されています。
ですから、最長でも1~2週間程経過したら思い切って外す事をオススメ致します(仕事や家事・育児等で腰の負担が増大する様な動作が予想される時のみ一時的に装着する等は可)
コルセットの正しい装着方法を知りたい方は下記記事をご覧ください
ギックリ腰になってしまった…冷やす?温める?
急性期(ぶつけた・捻った直後)の痛み全般にいえる事ですが、痛みが急激に強く出現した場合はまずは冷やします。上記でもお伝えした様に冷えが原因でぎっくり腰になったとしたらアイシングを行うと余計に冷えて痛みが強くなると考え、患部を温める等の対処をとる方もいらっしゃいますが炎症が起きている部位を温めると更に痛みが増強する場合もありますのであまりオススメしません。
ただ、近年ではアイシングを推奨しない医師や専門家の方もいらっしゃいますので必ずしも冷やす事が絶対に正しいとはいえません。ですから、当院でも患者様には痛みが緩和する・肌に当てて心地よく感じる方で良いとお伝えしております。
私の個人的な感覚としてはやはり急性期は冷やした方が鎮痛効果が期待できるように感じますが…
ちなみに…
医療機関等でもよく使われる「炎症が起こっている」とはどの様な状態かというと、患部に赤みや腫れ・熱がある時やじっとしていてもジンジン、ズキズキと痛みを強く感じる安静時痛があれば炎症が起きていると判断されます
ぎっくり腰はなぜ安静にしてはいけないの?
ぎっくり腰は「急性腰痛症」というのが正式名称ですが、その名の通り突如として急激に現れる腰痛です(欧米では「魔女の一撃」と表現されたりもします)
上記でもお伝え致しましたが、受傷直後1~2日は安静にする事も必要ですが、それ以降は極力過度な安静は避けるべきです。
その理由としては、安静にする事によって筋力が衰える事や動かさないでいると血流が悪くなり悪化してしまう可能性が高いからです。
実際に、ぎっくり腰となった人の半分はとにかく安静を続け、もう半分の人には無理のない範囲で日常生活や可能な範囲での運動を行ってもらった結果、身体を適度に動かしていた人たちの方が予後が良く再発率も低い事が研究結果として出ているのは有名な話です。
ですから、再発しないようにと消極的に安静にしているのではなく、無理のない範囲で積極的に身体を動かしていく事が早期治癒への近道となります。
イメージですが、腰痛は安静にして治す。ではなく身体を動かして治す。が正しいです
ぎっくり腰の対処法は安静?正しい対処法まとめ
ぎっくり腰になってしまった場合は、傷めた当日から1~2日目以降は安静にしてはいけないという事の理由がお分かり頂けたかと思いますので簡単にまとめさせて頂きます。
- 受傷後、動けない程の痛みが軽減するまでは安静にしそこからは無理のない範囲で日常生活を送る
- コルセットは装着してみて痛みが柔らくのであれば使用し、痛みの軽減がなければ付けなくても良い。急いで外す必要は無いが、極力短期間で外すように心がけ、依存しないように注意
- 過度な運動を急激に行う必要は無いが、再発予防も兼ねて適度な運動(ストレッチ・筋トレ・ウォーキング等)を行う
- ギックリ腰になってしまい歩けない状態であれば、無理にその日に医療機関に行かず数日安静にして動けるようになったら受診しても良い(痛み止めの薬やシップを処方してもらう場合を除く)
- 受傷直後、安静時痛がある・患部が腫れている・熱を持っているようであれば氷水で10~15分程度のアイシングを行い、痛みが軽減してきたら温める
ここまでぎっくり腰を起こしてしまった際の対処法をお話させて頂きましたが、できればギックリ腰にならないように普段の生活をもう一度見直してみて下さい。
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