2016.09.12
橈骨遠位端骨折・転位例・拘縮残存
先日、男性で手首の骨折をし当院ではなく他の接骨院で整復(骨を元の位置に戻す事)をしその後、経過診察も含めて近隣の整形外科でレントゲンを撮り確認しながら同接骨院にて約3カ月間、加療されていたという患者様が来院されました。
当院を受診しようと思って下さった理由は、上記の医療機関・治療院では「 治癒・終了 」と言われたが痛みも強く、手も握れない・手首が動かない・力が入りづらい等まだまだ治療が必要な気がしたから自分で判断して…とのことでした。
日常生活上で不便な事としては、ジャンケンのグーができない・拳が握れない・ペットボトルのキャップが開けれない・ドアノブ式のドアを開けれない等他にもたくさんあるとの事で大変お困りの様子でした。
確かにペットボトルのキャップを開けられない程、握力が衰え、動きが悪いなんて想像しただけで不便な生活だと思います。その様な状態であるにも関わらず、治癒・終了とされてしまった事は理解できませんが…
(ましてや整復までしておきながら、患者様が治療をまだ希望しているにも関わらず終了とは……もしかしたら何か理由があっての事でやむを得ずのご判断だった可能性もありますし、そこは分かりませんし私がとやかく言う事では無いと思いますが少し辛くなってしまいました。)
当院へご来院頂いたのも何かご縁があっての事だと思いますので、当院でできる限り患者様がご納得いくところまで精いっぱい治療させて頂く事をお伝えさせて頂きました。
現在の握力は、左33.0 右11.4 (右が驚くほど弱いですよね。)
手首の可動域も悪く動かし辛そうでしたが、手指の拘縮・癒着(固まってしまう事)が強く手を握ろうとするとスジが突っ張ってしまう(これは固定の不備によるものが大半です)様子でした。
どの程度まで改善するかは治療しないと分かりませんし、完治するかもしれないし、しないかもしれませんが今よりは確実に良くなることをお伝えし治療を開始させて頂きました。
当院では、骨折治療(ギプス等固定管理から後療)も当然ですが、拘縮治療も得意としておりますので何かお困りの方はお気軽にご相談ください。
背側から
側面(橈側)から
2016.08.10
足関節外果下端骨折(ankle outside end fracture)
昨日、60代女性が2日前にご自宅の庭でちょっとした段差につまづき足首を捻り2日経っても痛むのと腫れが強くなったので心配になった。との事でご来院されました。 ご本人はただの捻挫だと思っておられましたが、腫れ方や痛みの出かた・圧痛の部位を確認しすぐに骨折を疑いました。(仮に骨折が無いとしても患者様がおそらくイメージされている捻挫よりも症状が重い捻挫:靭帯損傷または断裂だと推測しました) 順序としては、まずは外観をしっかりと逆足との見比べも含めしっかりと確認します(靴下を脱ぎズボンの裾はしっかりあげます) その後、問診にてケガをされた時の状況をくまなくお聴きします(ここが最も重要で、ケガをした体勢・捻り方でおおよそどこが損傷されたか予想がつきます) 今回の場合は足首を回外(かいがい)方向に捻った様子でした。(これは足首の一般的な捻挫と少し違い底屈(ていくつ)要素が少ない) この肢位(しい)での捻り方で疑われる場所は、第五中足骨基底部(基部)骨折いわゆる下駄骨折・二分靭帯損傷・足関節外側靭帯損傷・足関節外果骨折等です。 疑いをたててから触診に移ります。触る際も一番痛みが少なそうな遠い部位から押していきます(いきなり一番痛い部位を押すと痛みが強くなり正確にみれなくなるからです) 今回の患者様は触診にて中足骨や二分靭帯には圧痛はなく、そこの部位の損傷を疑わせるような腫れ・内出血ではなかったためこの部分の損傷は除外しました。 残りの外側靭帯を細かく観ていくと、ATFL(前距腓靭帯)・CFL(踵腓靭帯)に圧痛が強く、AITFL(前脛腓靭帯)やPTFL(後距腓靭帯)は(-)でした。 (ちなみにCFLを損傷している場合はATFLは高い確率で損傷しています) そして外果下端部の圧痛も確認したところ痛みが強く骨折も疑われる所見となりました。(内果は痛みがありませんでした) (骨を押したときに痛みが無ければ靭帯損傷だけが推測されます) 捻り方、痛みの部位・腫れ方からLauge-Hansen(ラージ・ハンセン)分類のS-A骨折(stageⅠ)を強く疑いました。 その後、エコーにて骨・靭帯をチェックし骨折所見が見られたためギプスシーネにて固定をし近隣の医療機関へご紹介し御高診頂き、 レントゲンを撮った結果、骨折と診断されました。 このように患者様が捻挫と思っていてもそれをうのみにせず、しっかりと自分の評価をしないと骨折や他の大きな病気・ケガを見落としてしまう可能性があるので今後もしっかりと評価・所見を取ることが大切だと改めて感じさせられます。(もちろんどんな人でも100%はむりですがそれに限りなく近づくように努力することが大事だと思います) 長くなっちゃってすみません。 ついついアツくなっちゃうんです
他にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
2016.08.06
骨折・脱臼・捻挫後の関節拘縮
当院は、外傷(骨折・脱臼・捻挫・肉ばなれ等)の処置・治療ができる鍼灸接骨院です。
骨折や脱臼・捻挫等のケガをされてしまった方は場合によっては固定が必要で、骨が固まる・組織(筋肉・靭帯)が修復するまで安静が必要となりますが、固定している最中からどんどん拘縮(こうしゅく)といい関節が固まってきてしまいます。
手足の軟部組織(スジや筋肉)は3週間くらいすると徐々に癒着しはじめます。ですので骨がくっつき固定を外すころには関節が固まって動かせない・動かすと痛む様になってしまいます。
当院ではその様な関節周りの固まり「拘縮」治療も得意としており、「拘縮改善治療」という自費のメニューもございます。
通院しているがなかなか治らない方や治療が終了してしまったがまだ関節が固く痛む等でお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽に当院へご相談ください。
もちろん一番ベストなのは拘縮しないでケガが治る。というのが理想的ですが……
2016.08.01
ボクサー骨折(Boxer’s fracture) 第五中手骨骨折
手の小指の骨(手の甲の部分の中手骨という骨)を骨折した場合、ボクサー骨折やパンチ骨折と言われていますが、正式には第五中手骨頚部骨折(だいごちゅうしゅこつけいぶこっせつ)と言います。
その名の通り、喧嘩やパンチングマシーンで殴った際に骨折をする事が多いためそう呼ばれるようになりました。(余談ですがボクサー骨折と呼ばれていますが、実はプロボクサーには比較的少なく一般の人が骨折しやすく、プロボクサーの方は第2・第3(人差し指・中指)指に多いのです。)
ここからプロのボクサーと素人では殴り方が違うという事が分かりますね。
このボクサー骨折の見極め方としては、まず明らかな外傷(trauma)・その様なエピソードがあるかどうか(喧嘩で人や壁を殴ってしまった等)確認します。
その後臨床所見を確認します。骨折をした場合は打撲や捻挫とは違う独特な腫れ方をする事と内出血の出る場所などでおおよそ骨折なのか、打撲なのか、骨折であればどこの骨が折れているかが分かります。
この小指の骨折は特に拳を中心に腫れ、内出血も多くでて、外見上では骨がズレて段差ができている事があります。(当院ではエコーにて確認します)
程度が軽い骨折の場合は固定をして骨がくっつけば治癒となりますが、ズレ(転位)が大きい場合は整復(骨を元の位置に戻す)が必要で、特に回旋(捻れ)転位が残ったまま治癒してしまうと、手を握った時に小指だけ変な方向に曲がってしまう(オーバーラップフィンガー)など機能障害を起こす危険性があるため注意が必要です。
当然、手の骨折なので、固定期間が長いと指が硬く曲がらなくなってしまう(拘縮)事もありますので、固定期間中~固定期間後にかけて適切な治療が必要です。当院では骨折部に負担がかからない程度のリハビリを早期から行うことにより拘縮を予防し、超音波やレーザー治療器を照射する事で骨の回復が少しでも早くなるよう努力しております。
骨折が疑われる場合や、骨折後に手が曲がらないとお困りの方は当院へご相談下さい。
カッとなって人や物を殴ると自分の手も痛めますのでお気を付け下さいwww
2016.06.14
突き指(mallet finger)
バレーボールや野球などのスポーツ競技や、日常でモノや壁に指をぶつけて起こる「突き指」についてご説明させていただきます。
指の先端部の骨がかけたり、腱(スジ)が切れると指の第一関節より先が垂れ下がるようになります。このケガの名前がmallet finger(マレットフィンガー)やdrop finger(ドロップフィンガー)といいます。
mallet fingerには骨がかける骨性マレットと腱(スジ)が断裂する腱性マレットがあります。分かりやすく言えば骨折するタイプと腱が断裂するタイプがあります。どちらも外見上は同じように見えレントゲン撮影し骨折があれば骨性、骨折がなく腱の断裂が認められれば腱性と診断をされます。
それぞれタイプにより固定期間が多少異なり、断裂した腱がくっつくより骨折した箇所が癒合(くっつく)する方が早いため骨性マレットの方が数週間固定期間が短くなっております。
痛みの程度は骨性の方が痛みを訴える事が多く、腱性の場合は個人差もありますが痛みはあまりないが指が垂れ下がっているため心配で受診したという患者様が割と多いように感じます。
治療法は大きく分けて保存治療(手術しない)か手術(観血的治療)になります。
手術の場合、経皮的鋼線刺入固定法(石黒法)という皮膚を切らずに針金を指先に打つ方法が多く行われております。手術のメリットは手術さえしてしまえば固定の管理が楽になり再断裂・再骨折の確立が低くなります。デメリットはピンを打った箇所に傷が残る事と手術時・手術後の痛みが強い事です。ただ私個人の考えですが、腱性の場合は8~12週間(2~3カ月)近く固定をしなければいけないため手術をお受けになった方が管理が楽なようにも感じます。(どのタイプでも医師により多少の固定期間の違いはありますが…)
一方、保存療法は固定具にて過伸展位(垂れ下がった指先を逆方向に反らす)に保ち、最短でも4~6週間は固定をしなければいけません。当然ですがその間、固定を外すことは可能ですが一度でも指が垂れ下がる事のない様十分に気を付けて外します。(当院では来院時に外し管理させて頂きますのでご安心ください) 腱性(腱の断裂)の場合も時間はかかりますが可能ではあります。
保存療法のメリットは手術の痛み(麻酔の注射等)がなく傷も残りません。デメリットは、固定の管理が大変で一度でも曲げてはいけない事や、皮膚がかぶれたり、かゆみがでたりします。
全体を通して言えることは、保存療法も手術も多少は指が垂れてしまう場合もありますのでどちらがいいかは患者様により違いますが固定期間をどう過ごしたいか、麻酔などの注射が平気であれば手術をお受けになるのもいいと思います。
大事なのはその後、固くなった関節を治療・リハビリにより動く関節・指にすることです。
ここからが重要なところですが、今回は文が長くなってしまったのでまた次回にご説明させていただきます。(書いているうちにアツくなってしまいついつい書きすぎてしまいました)
当院では保存療法にて治療する事ができますので、どうしても手術したくない場合や糖尿病などのご病気や薬の影響で手術できない方はお気軽にご相談ください。
エコーにてチェックし骨折や腱の断裂があるか確認し、必要であれば医療機関をご紹介いたします。
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