2016.11.17
野球肘(後方型)について
以前、野球肘(外側型・内側型)についてご説明させて頂きましたので、今回は「後方型」について載せさせて頂きます。
肘関節の後方部分は上腕三頭筋という筋肉が尺骨という骨の肘頭という部分に付着しており、肘を伸ばす動作はこの上腕三頭筋という筋肉が収縮(力が入り縮まる)する事により可能となります。投球動作phaseでいえば加速期・フォロースルー期に痛む場合は、この後方型の可能性が高まりますので見落としをしないように必ずどの動作で痛むかなどを聴取します。
野球肘の後方型に起こる症状としては、上腕三頭筋の損傷・上腕三頭筋腱付着部炎・骨端線離解・肘頭剥離骨折・肘頭疲労骨折・肘頭障害等がみられます。
三頭筋損傷や三頭筋腱炎・付着部炎は上腕三頭筋を使いすぎる事で柔軟性や弾力性が低下した状態で練習を続けていると筋肉や腱を傷めてしまう事で起こり、投球動作で三頭筋の収縮が何度も繰り返されると牽引力が働き、肘頭部に骨折線が入り剥離骨折や疲労骨折を起こす場合もあります。 年齢によっては骨の成長がまだ未熟で軟骨の部分が損傷される骨端線損傷やその骨端線部が離れてしまう骨端線離解を起こすケースもあります。
リリース後に肘が伸びた時に、肘頭と肘頭窩という骨と骨がぶつかる衝撃が何度も繰り返されると骨に骨棘(こつきょく)といい棘(トゲ)が出来てしまう事もあります。
どの症状にしても常に肘がしっかりと曲げられるか・最後まで伸ばしきれるかをチェックする必要があり、現時点で可動域制限(曲げれない・伸ばせない)があれば一度、当院へ受診下さい。他の野球肘もそうですが、放置しておくと症状が悪化し、最悪何カ月もスポーツを中止しなければいけなくなる事もあります。
当然ですが、肘の痛みは肘を治療させて頂きますがそのほとんどが肘のみが原因という事ではなく全身の関節や筋肉の硬さ・可動性の低下などが影響している事が多いため、全身の状態を評価し改善していく事で肘の痛みが軽減される事もあります。



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