2016.06.14
腰椎椎間板ヘルニア(LDH・HNP)
当院やそれ以前に勤めていた医療機関で、患者様との会話の中で、たびたび耳にするのが「腰のヘルニアをもっている」・「〇〇整形外科でヘルニアと言われた」などとおっしゃられる方が多くいらっしゃいました。 ですので今回は腰のヘルニアについてご説明させて頂きます。 正式名称は『腰椎椎間板ヘルニア』といい「ヘルニア」とは、体内の臓器などが本来あるべき部位から脱出・突出した状態を指す。ことをいいます。 鼡径ヘルニアは鼡径部(股)から腸が突出する「脱腸」の事をいい、椎間板ヘルニアは椎間板が突出するので椎間板ヘルニア(以下LDH)といいます。ですので痛みやしびれがあるからヘルニアと診断されるのではなく、厳密にいえば椎間板が突出するからヘルニアと診断されます。
腰の骨は5つありその間に椎間板(クッション等の役目)が存在し、その椎間板が加齢とともに水分量が減少するため変性し突出する他、度重なる機械的負荷(重労働等)が原因で突出する場合もあります。ですので若年者にも多くみられる疾患です。
背骨の周りには神経があり、この神経をヘルニアが圧迫することにより様々な症状を呈します。腰痛が強くなる場合や足にしびれがでたり、麻痺・感覚障害、症状がひどい場合は膀胱・直腸障害といってトイレに関する障害さえ出現します。(LDHと診断された方でこの膀胱・直腸障害まで現れることは少ないですが)
足の感覚障害・麻痺や筋力低下がみられる場合、どの領域(エリア)・どの筋肉が低下しているかによって腰椎の何番目にヘルニアが起こっているか断定はできませんが、ある程度推測がつきます。
好発部位は腰椎の4・5番の間にヘルニアが起こりやすく、感覚障害は足の甲側に現れ、筋力低下は、足首の関節を持ち上げれなくなったりします。(他の腰椎の高さでヘルニアが起こり神経が圧迫される場合は、また違ったエリア・筋肉に症状が現れます)
椎間板ヘルニアと診断され患者様が一番心配されるのが、手術しなければいけないのか?ということです。手術しなければいけない・または手術をすすめられる症状とは、先ほどの膀胱・直腸障害がでた場合や日常生活に著しく支障をきたすほどの激しい腰痛が何か月も続く場合・急速に進む足の麻痺等がみられた場合は手術をしないと治りません。手術後、膀胱直腸障害や麻痺症状は軽減・消失されることが多いが、多少の腰痛・下肢のしびれは残ることがある。と文献には書かれていることが多く、これらのことからLDHは診断を受けたら 即手術 ではなく保存療法が第一選択とされることが多いです。(LDHにも細かくタイプがあり、その中には一度突出したヘルニアが自然消失・退縮していくものもある)
当院での治療で可能なものと致しましては、上記のような手術が早急に必要な方以外の患者様は、腰だけでなく他部位からも含めアプローチし症状が緩和できるように努めさせて頂きます。初診時に評価させていただいた後、外科的な処置等が必要だと思われる患者様にはこちらから医療機関をご紹介させて頂きます。医療機関で手術をすすめられたが、手術をしたくないので治療にいらしてる方もいらっしゃいます。
痛みやしびれ等でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
2016.06.06
人工膝関節 変形性膝関節症
先日、起き上がる際に左膝を捻り痛みが出現したとの訴えで患者様がご来院されました。
既往:8年前に右膝の痛みが強く人工膝関節の手術を受けたそうで、(お話を聞く限りおそらく全人工膝関節置換術(以下TKA)でした)その後、全くではないものの痛みは軽減されている。との事でした。
人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)にはTKAとUKA(人工膝単顆置換術)があり、UKAは関節の内側・外側のどちらかだけ人工関節にするもので、TKAは全て人工関節にする手術です。当然、メリット・デメリットがそれぞれに存在し、人工関節の耐用年数・患者様の変形度合い・年齢など様々な事を考慮しドクターがご判断し手術方法を決めます。人工関節にすると変形等による痛みが消失することも多く理想的ですが、その反面正座はできなくなり場合によっては耐用年数が過ぎたり、骨粗鬆症(骨が脆くなる疾患)などの疾患から骨と人工関節との間に隙間ができたり歪んでくると再度同様の手術をしなければいけなくなる事もあります。(現在は技術が進歩し耐用年数が増え、接着技術も向上しているのとの事)
話を戻しますが、今回の患者様は右の膝は痛みが落ち着いており、手術を受けていない左膝の痛みが辛く来院されました。
症状は、運動開始時痛(motion starting pain)や階段昇降時痛(特に降段)・膝の屈伸時痛などがあり、エコー画像上でも炎症症状が確認でき変形も進んでおりましたが、右膝と同じように手術は絶対にしたくないとの事で当院にて保存療法を希望されましたので治療させていただきました。
人工関節の手術をご経験なさった方が絶対にしたくないというのは、ある意味それだけ手術やその後のリハビリが辛いことを物語っているように感じました。もちろん手術を否定するわけではなく、それでも医師が必要と判断した場合は手術をおすすめする場合もあるとお伝えしましたが…誰でもなるべくは手術しない方がいいと思っていらっしゃると思いますので、当院では全力でできる限りの治療をさせて頂きます。
エコー画像1 左膝 変形が進み骨棘(骨のトゲ)がみられます
エコー画像2 右膝(TKA) 変形が少なく骨棘が減っていますが一般的な痛みのない膝と比べると違いが分かります
エコー画像3 正常な膝 変形がなく骨のラインもきれいでクッション材の役目を果たす半月板(真ん中の三角形のもの)もきれいです
2016.06.01
テニス肘(外側上顆炎)
肘周辺部の痛みで来院される事が多いのがテニス肘です。(別名:外側上顆炎といいます)
上腕骨の一部で外側上顆(肘の少し上)という箇所より指の先まで筋肉がつながっており、手首や指先を酷使するとその付着部である外側上顆に炎症が起きるため『外側上顆炎』という名前が付けられ、この肘の外側の筋肉は手首を起こす際に使われる筋肉のためテニスのバックハンドで打つ際に痛めることが多く、『テニス肘』とも言われる事が多いです。
テニスをしている方に多くみられるためテニス肘と言われておりますが、もちろんテニス以外でも同様の症状を呈する事があります。
教科書的に多いとされているのが長橈側手根伸筋(ECRL)と短橈側手根伸筋(ECRB)という二つの筋肉で、それぞれ人差し指と中指の先から肘の上まで付着しており、デスクワーク(マウス・タイピング)時にその二本の指を酷使するため痛みが生じます。その他、手首を動かす力仕事や雑巾・タオルを絞ることが多い家事をされる方にも多くみられ年齢も様々で当院にも多く来院される疾患です。
症状が進行するとジッとしていても痛むとされる安静時痛が強くなり指や手首を少し動かしただけでも肘に激痛が走ることさえあります。そのまま放置していると筋肉に骨が引っ張られ、骨棘という骨にトゲのようなものができ変形していき更に痛みの度合いが強まり日常生活に支障をきたす事さえでてきます。(骨棘がひどい場合は手術にて取り除く事もあります)
他覚所見としては、Tomzen Testやmiddle finger ext Test(中指伸展テスト)が陽性となり肘部付近が腫れたり、押されると痛みます。
当院ではエコーにて炎症度合いをチェックし評価します。
整形外科など病院ではシップや飲み薬を処方されるだけの事が多い疾患ですが、当院では特殊電気治療や鍼灸治療・手技により筋肉の負担を軽減させるとともにストレッチを指導致します。急性期(痛みが強い時期)には数日間だけ手首を固定したりテーピングをしていただく事により痛みが軽減される事もあります。
肘の痛みでお困りの方はご相談ください。
エコー画像は筋肉と骨との付着部です。症状により骨に骨棘ができたり、筋肉の厚みが増したり炎症により腫れたりします。
2016.05.21
脊柱側弯症
この時期、小・中学校では側弯症の検診があります。
脊柱側弯症とは、背骨が左右に曲がり、左右の肩の高さが違ったり姿勢が悪くみられる疾患です。
主症状は脊柱変形に伴う体幹変形で、肩の高さの非対称・腰のくびれの非対称・体幹バランス不良・骨盤傾斜・肩甲骨・腰背部の隆起(出っ張り)などが特徴的です。特発性側弯症の好発年齢は思春期の女性(中学生前後)で右にカーブする事が多いといわれております。
側弯症は痛みが伴わないことが多いため、発見が遅れ重症化する場合があるため早期発見が大切です。そのために検診にて医療機関への受診をすすめられた場合は必ず一度は受診しましょう。
レントゲンにてcobb角(コブ角)という背骨の曲がり具合を測り、状態をチェックします。
cobb角が20°~25°未満の場合は軽度・40°~45°未満を中等度・45°以上を重度と判断されますが、20°以上で装具療法・45°以上で手術をすすめられるのが一般的です。
20°未満の場合は要経過観察とし定期的なレントゲン検査を行い、運動療法との併用で改善または維持を図ります。
側弯症と診断された方は、体のバランス感覚が悪く、体が硬いことが多いため他のケガにもつながり易くなります。
当院でも、身体全体のバランス、姿勢、各筋肉・関節の固さ等を評価しバランス訓練・体幹トレーニング・姿勢矯正などを行っております。
その様な症状でお悩みの方はご相談ください。
2016.05.21
熱中症に注意
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れ体温調節機能が低下または働かなくなったりして体温上昇・けいれん・めまい・頭痛などの様々な症状を引き起こし、場合によっては意識障害を伴うこともある怖い病気です。
真夏の炎天下で起こりやすいのは、みなさんご承知のことだと思いますが、意外と知られていないのが、これからの梅雨の時期です。
梅雨の時期は、真夏に比べ気温事態は高くないですが湿度が高い時も熱中症になりやすいのです。家の中なら大丈夫・まだ若いから・自分に限っては大丈夫など過信せず喉の渇きを感じる前に、こまめに水分補給をしっかりする事が大切です。水分と一緒にミネラルやビタミンも失われるためスポーツ飲料や麦茶がおすすめですが、スポーツ飲料は当分も高いため水で薄めるなどして摂りすぎには注意しましょう。
熱中症が疑われる場合は、涼しい場所に移し脱衣・冷却・水分と塩分を補給します。
意識障害がある場合は直ちに医療機関へ行きましょう。
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