2017.03.10
肘の内側側副靭帯損傷(MCL injury)について
先日、中学生がバレーボール中に肘を傷めたとの事で来院されました。
受傷機転は、ボールをレシーブしようと前へ飛び込んだ際、床に手が着き肘が「くの字」に曲がり、その後も練習を続けようとしたそうですが痛みが強く中止したとの事でした。受傷直後から腫れがみられたためアイシングをし少し腫れは治まったが痛みが治まらないので心配になり当院を受診下さいました。 (上記の受傷機転からは、肘付近の骨折(剥離骨折)・脱臼・靭帯損傷が考えられます)

内側に若干の腫れがありましたが強い腫れ・内出血(皮下出血)・変形は見られなかったため大きな骨折や脱臼は大丈夫そうでした。そうなれば可能性として考えられるケガは剥離骨折か靭帯損傷です。 症状・所見としては、肘のROM(可動範囲)制限はそこまでみられないもののある一定の角度を通る際、肘の内側に激痛が走るとの事でしたので内側周辺を細かくみていくと、骨上に圧痛はなく靭帯(MCL)部分を押すと明らかに痛みが誘発されました。
靭帯損傷の場合、どの程度損傷しているかを判断する際にその靭帯にストレスを加えることである程度の損傷度合いが分かります。そもそも靭帯は骨と骨とを繫ぎとめておくベルトの役割をするため完全断裂の場合は、関節の安定性が損なわれストレスを加えると関節が「グラグラ」と不安定になります。 この患者様は、強くは感じませんでしたが若干の不安定性を認め外反ストレステスト(valgus)も0°・30°と共に陽性だったためより靭帯損傷が疑われました。
その後、エコー(超音波観察装置)で確認してみると、骨の異常は見当たらず、MCL(内側側副靭帯靭帯)付近の画像に健側とは違い、線維の乱れや炎症所見がみられたため靭帯損傷と判断し上腕~手関節手前までギプスシーネ固定をさせて頂きました。
固定をすれば痛みも落ち着きますが、剥離骨折も完全に否定できる所見ではなかったので、念のために近隣の医療機関をご紹介させて頂きました。
医療機関ではMRIも撮ってくださり、結果は「内側側副靭帯損傷 Ⅰ度」と診断され3週間固定のご指示を頂きました。
この様なケガで来院される患者様の場合、固定なんて大げさだと感じ固定を希望されない方もいらっしゃいます。患者様のニーズに合わせる事も大事ですが重要なのはケガを治す事だと思いますので固定が必要だと判断した場合はこちらに従って頂きます。(当然ですが固定をしなくて済むのであればしない方がいいのですが、固定をしないと治らないケースもありますので) 固定が必要かどうかの判断は臨床所見や徒手検査で判断しますが、エコーを使用し画像評価することでより詳細に評価する事ができますし患者様にも視覚的な評価をする事でより安心して頂けると思います。


下記のエコー画像は正常例です

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