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2017.02.28

肘内障について~ その2

先日、載せました「肘内障について」(詳しくはこちらをクリック)もう少し詳しくお伝えしていきます。

肘内障は一般的に、生後6カ月~5歳(特に2~4歳に多い)にみられる肘の亜脱臼(俗にいう肘が抜ける事)で年齢と受傷機転・痛がり方・症状(腕を挙げられない・バンザイやバイバイができない)である程度予測がつきます。

6歳を過ぎると肘内障になる子が減る理由は肘の抜ける原因となる骨や靭帯(スジ)が発達し、強靭になるため外れにくくなります。ですから仮に何回も外れてしまう子も成長と共に徐々に外れにくくなっていきますのでご安心ください。

大人も子供も全ての人に言える事ですが、性格が違うように骨格も人それぞれなため一回も外れない子もいればちょっとした事で何度も外れてしまうお子さんもいらっしゃいますので、極力、手を強く引っ張らない等の注意が必要です。

もし外れてしまった場合は、整復といって外れてしまった骨を元の位置に戻す治療をします。この整復自体はそんなに難しい行為ではない為、慣れてくると軽くみてしまう方もいらっしゃいますが実はそうではありません。(その理由はいくつかあります…)                                              なぜなら患者様本人が幼いためどうしてこうなったか等の本人からの情報は基本的に得られず、意思疎通ができずそればかりか痛みやこれから何をされるか分からないという不安もあり治療に対して非協力的だからです。                                              (それでも近くでご両親等が見ていれば、どのような動作をして痛がった等が分かりますが…)

上記でも言いましたが、肘内障になってしまう最大の理由は手を繫いでいる時やダダをこねている際に無理矢理引っ張って連れて帰る等の「引っ張る」という行為で起こる事が多いので、その場合は必ず引っ張った相手(ご両親・ご家族・お友達等)が存在しますので引っ張られたかどうかは相手に聞けば分かります。しかし、「引っ張られた」ではなく高所から落ちて手をついた・転倒して手をついた等でも肘内障になってしまう場合もあります。

ここが軽視してはいけない点で、それは何故かというと他のケガを起こしている(主に「骨折」です)場合がある事です。

小児の場合、必ずではありませんが鎖骨や手首の骨折をしていても「肘が痛い」と肘の辺りをかばって来院するケースもあります(他にも股関節の疾患があるのに膝が痛い等と言う場合もあります)ので、肘だけでなく鎖骨~肩~手首付近の腫れや変形・内出血等がないかも必ずチェックする事とが大切です。

当院では、その様なところも含め、症状を細かく確認しその後、整復をさせて頂きます。

整復と言っても数回手首を動かす程度で「コクンッ」と整復音を感じ骨が元の位置に戻りますが、中にはこの整復音がしない場合や中々入らない等難治例もあります。この場合、その場で何度も繰り返し整復操作をすることはせず、2~3回行ったらそれ以上はやらず様子をみます。「コクンッ」という音がしなくとも整復されてる場合もありますし、繰り返し行う事で患部の炎症が強くなってしまう事や、患者さんの恐怖心をより強めてしまうと治っていても腕を使いたがらなくなってしまう事もあり、より正確な判断ができなくなってしまうからです。                         (あくまでも難治例の話で、大体の方は「コクンッ」と入ればその瞬間から腕を動かすようになりバンザイ・バイバイもできるようになります←これが治った証拠です)

肘内障は5歳までのお子さんに多いため情報が得られにくく治療に対して非協力的になってしまうことが多く、このくらいの年齢の子は同じ年齢でもしっかりお話ができる子もいれば、何を聞いても「うんうん」と答えがバラバラになってしまったりと一概ではないという事も難しい理由の一つだと思います。

以上のことから肘内障がいかに難しいかがお分かりになったかと思います。

肘内障の場合、固定は基本的に必要ありませんが患部の安静や不安感を無くすために数日程度、弾性包帯で患部を巻く場合もあります

よく患者さん(ご両親等)からレントゲンは必要かと聞かれますが、基本的に肘内障はレントゲンを撮っても分かりません。仮にレントゲンを撮ったとしたらそれは上記でもお伝えした「骨折」していないかを確認するためだと思いますし、視診・触診にて骨折が疑われなく肘内障とご判断された場合はレントゲンは撮らないというドクターもいらっしゃいます。(小さなお子様ですので不必要にレントゲンを撮る事はせず必要な際に撮られると思います) 当院ではレントゲンは撮れない為、エコー(超音波観察装置)にて確認することが可能ですので、ケガをした時の状態や痛む部位等を含め骨折が疑われる場合は医療機関をご紹介させて頂く場合もありますので安心して受診下さい。

ちなみに肘内障は動かしているうちに自然に整復される事もありますのでなかなか入らないからといって乱暴な整復はせず数回行って入ったかが分からなければ1日様子を見る事も大切だと思います。

もちろん放っておけばいい訳ではないので外れてしまった場合は少しでも早く戻してあげる事が最善です。

肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。 初診(初めて)の方はお電話にてご連絡下さい。

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カテゴリー: | Post : 2017.02.28 10:58

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