キーンベック病(月状骨軟化症)というものをご存知ですか?

手首の痛みで来院された男性の患者様について書かせて頂きます。
その患者様は職業柄、手首を特に酷使する作業をされており、以前から痛みを感じていたそうで数週間前に初めて整形外科にてレントゲン検査を受けたところ手首の「月状骨(げつじょうこつ)」という骨が壊死している。
これ以上、症状が進行する場合は手術も考えなければいけないと説明を受け、それまでは定期的にレントゲンを撮り骨の状態をチェックしていく事になったそうです。
治療内容としては、シップと痛み止めで対処するしかないと説明を受けたそうですが、少しでも痛みの軽減・現状を維持・回復させたいという事で当院にご来院下さいました。
関連記事・あわせて読みたい

月状骨の壊死は別名「キーンベック病や月状骨軟化症」(詳しくは上記参照)と呼ばれており、重症化すると手術となる事が多く仮に手術をしても予後が悪く難治性(治りにくい)となることも少なくありません。
初期の段階では、軽い痛みを訴える程度でレントゲン画像上でも異常なしとされる事もあるため捻挫や打撲・腱鞘炎との鑑別が必要となります。
(当院では、エコー(超音波観察装置)にて患部を観察し少しでも異常がみられればレントゲン・MRI検査をお受け頂くため医療機関をご紹介させて頂いております。)
エコー(超音波観察装置)ではどうやってみえるの?

キーンベック病は初期の段階ではレントゲン画像上では異常が見られない事が多く、早期発見する場合はMRI検査が必要となりますが、エコーでもある程度、異変を観察できる事もあります。下記にこの受診された患者様のエコー画像を載せさせて頂きます。




健側と患側で比較すると明らかに月状骨の形状が異なり炎症反応も確認できました。
どんな人がなるの?原因は?

この疾患の特徴は、特に大工や職人さんの様に力が必要な手作業に就く方に多いため20~50歳の男性に多くみられますので職歴の聴取は必須ですが、仕事で手を酷使する人以外の女性や高齢者にも発症する場合もあります。
原因は不明となっていますが繰り返しの外力による微小外小説が有力で、骨の大半を関節軟骨に覆われている月状骨に栄養を供給する血管が何らかの原因で遮断された結果、栄養を失った月状骨が壊死を起こすのだと考えられております。
症状は、軽度の手首の痛みから始まり症状が進行していくと疼痛(痛み)や運動時痛が強くなり握力が低下していきます。
この様な症状に当院では、鍼灸治療にて痛みの軽減を図ると共に鍼や熱刺激によって少しでも月状骨へ血液の供給が再開されるよう治療させて頂きます。
この様な症状でお悩みの方は、当院へご相談下さい。



