ばね指(snapping finger)

指の掌側(手のひら側)の痛みを訴え来院された患者様がいらっしゃいました。以前から指を曲げるとカクカク音がするのが気になっていたが、今回壁に指をぶつけて痛みが増したため来院されたとの事でした。

この指を曲げると「カクカク音がする」という症状で最初に思い浮かぶのが、ばね指(snapping finger)です。

この「ばね指」とは腱鞘炎とは少し違い、腱が肥厚(分厚く)したり輪状腱鞘(pulley)という腱が浮き出てこない様に止めておくバンド状のものが狭小化し、結果的に腱の滑走が障害されて「引っかかり感」が出現します。

手のひら側の腱(スジ)には5つの輪状腱鞘(pulleyA1~A5)(プーリー)と3つの十字腱鞘(C1~C3)(文献により多少異なります)があり、その中の    A1 pulley部の腱鞘が狭小化(トンネルが狭くなるイメージです)し通過障害をきたします。

症状としては、A1部(手のひら側の指の根本)に圧痛(押されると痛い)があり触ると硬結(コリコリした感じ)を触れ、指の屈伸時に弾発現象(カックンカックンする感じ)があり悪化すると痛みやロッキング現象(指が曲がったまま伸びない)が出現します。

成人では拇指・中指・環指(1・3・4指)に多いとされています。

治療方法は、手術せずに保存療法となる場合と、手術にて腱鞘を切除(狭くなったトンネルを切って広げる)する場合があります。

手術を選択される症状は、指にロッキングが発生し自力で伸ばせなくなった場合(反対の指で伸ばさないと戻らない)、勧められることが多いです。ですのでカクカク、音がしたり自力で指を戻せる状態であれば保存療法で治療していきます。(最終的な判断をされるのは医師ですが…)

指にある腱は前腕(肘下)まで繋がっており手首を越えたあたりから筋肉に変わります。ですので指先の腱の部分だけでなく前腕の筋肉の状態も重要で筋肉の弾力・柔軟性を獲得していくことにより腱の滑走(すべり)も変化していきます。

当院では、圧痛部位に超音波・レーザー等を使用し痛みを軽減させ循環を良くしていくと共に筋肉をストレッチや手技で緩め弾力性を高めます。

鍼灸、特に鍼も有効的だと思います。また手術をした後、皮膚の癒着が強く関節が固くなり曲げ伸ばしが困難になる場合(硬縮)もございますのでその様な症状でお困りの方もお気軽にご相談下さい。

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