手が痛いのは腱鞘炎ではなくリウマチ?こんな症状がでたら注意しよう

指先が痛い・手首が痛いといったお悩みで当院へ来院される患者様は多くいらっしゃいますが、その痛みの原因が何かを追求する事は非常に重要です。
それは、タイトルにもあるように同じ手指の痛みでも単なる関節炎や腱鞘炎ではなく「リウマチ」である可能性も考えられるからです。
症例紹介
まず先日、受診された患者様のお話をさせて頂きます。
元々、肩関節のリハビリのため近隣の医療機関(整形外科)に通院されていたので診察時に手の痛みを伝えたが、医師から「肩のリハビリが落ち着いたら手の治療をしましょう」と言われ診てもらえなかったため当院へ受診。
ご本人の認識としては、手首に強い痛みと腫れがあったため腱鞘炎だと思われたそうで鍼灸治療を希望されておりましたが、問診時に直ぐ腱鞘炎ではなくリウマチの疑いが強いと感じました。
この患者様の症状は腱鞘炎や関節炎でもみられる症状もありますが、同時期に左右対称(同部)な関節の痛みと腫れ・朝のこわばり(緩解するまで1時間)といった下記に記載する関節リウマチの判定基準と重なる部分が多く、特異的な症状がみられました。
エコー(超音波観察装置)にて手首周辺のチェック



手関節(手首)に炎症反応が顕著に確認されたためよりリウマチの可能性が高まりました。
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帯状に拡がる赤くなっている箇所が炎症反応だよ
関節リウマチの判定基準はどうなっているの?

※上記の7項目中4項目以上当てはまる場合は関節リウマチと診断
※項目1~4は6週間(1カ月半)以上持続していること
関節リウマチと診断するためには上記の基準が基本ですが、近年では治療薬や検査技術等の進歩により早期発見・早期治療をすることで進行をかなり抑える事が可能にはなってきました(完治とまでは至らない)
ですから、より早期に発見する事が重要となるため、2010年米国リウマチ学会/ヨーロッパリウマチ学会による関節リウマチの分類基準が新たに設けられました。
関節リウマチと診断

上記の患者様は以上のことからリウマチである可能性が高かったため、再度医療機関へ受診するようにお伝えし、後日連絡を頂きました。
医療機関にて血液検査を受け、結果が出るまでに数日を要するが早期治療が重要なため直ぐに治療薬を処方された。との事で、リウマチを疑って再度病院へ受診する事を促してくれてありがとうと感謝のお言葉も頂きました。
当院(鍼灸接骨院)としてできること・大切な事…

当院は医療機関(医師)でないため、薬の処方や血液検査は出来ず、リウマチと診断する事も出来ません。
しかし、今回の患者様の様にご自身がリウマチだと気付かず、単なる関節炎や腱鞘炎だと思い当院や他の鍼灸院・接骨院へ受診される事は少なくありません。ですから、まず正しい評価をする事が大切だと思います。今回の患者様の場合、1カ月以上経過して当院へ受診された程ですから一刻も早く適切な治療を受ける必要性がありましたので、直ぐに医療機関に再受診して頂くように促せた事が最善の判断だったと思います。(仮にリウマチの疑いに気付かず数カ月間治療していたら更に症状を悪化させてしまっていたかもしれません)
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治療・施術するだけが良いとは限らないんだね
WHO(世界保健機関)が認める鍼灸治療の適応疾患の中に関節リウマチも含まれています。関節リウマチが完治するという事ではありませんが、痛みのコントロールや他症状の悪化を防ぐ目的で治療します
手が痛いのは腱鞘炎ではなくリウマチ?こんな症状がでたら要注意まとめ

手関節(手首)や指先に痛みや腫れが出現した際は関節リウマチの初期症状の場合も考えられることは、ここまでのお話でご理解頂けたと思いますので、まとめさせて頂きます。
・朝、起床時に手のこわばりを感じる(緩解するまでに数十分以上かかる場合は特に注意)
・手首や指の関節が腫れる、熱っぽい(転んで手を突いた、手を酷使した等の明らかな原因(外傷)が無いにも関わらず突然腫れた場合は特に注意)
・同時でなくとも同時期に左右同じ場所が痛い、腫れる
・1か所に留まらず、3か所以上の関節が痛い
上記の症状がより多く当てはまる場合はリウマチの可能性が考えられますので、早急に医療機関へ受診される事をオススメ致します。
尚、当院でリウマチに対して鍼灸治療をする際は、必ず医療機関(リウマチ専門医)と併用し、定期的に医師の診察をお受け頂きながら治療させて頂いております。



