下腿(ふくらはぎ)の痛みで多くみられるケガが腓腹筋損傷(いわゆる肉ばなれ)です。
ふくらはぎの筋肉は3つの頭をもつことから下腿三頭筋といい、腓腹筋内側頭・外側頭・ヒラメ筋に分けられ、その3つのうち一番痛めやすいのが腓腹筋内側頭の筋腱移行部付近といわれています。(ふくらはぎの内側で真ん中より少し下のあたり)
程度は、足首を動かす時や押された時の痛みだけというような軽症のものから皮下出血(ふくらはぎがムラサキ色になる)や陥凹(筋肉が断裂しへこむ)し歩行不能となる重症のものまで様々で大きく、Ⅰ度(微細な断裂)・Ⅱ度(部分断裂)・Ⅲ度(完全断裂)と3つに分類されています。(肉ばなれはⅡ度)
原因は、相手に蹴られたりボールがぶつかったりする直達外力と「グッ」と踏み込んだ際やストレッチで急に伸ばしすぎて痛む介達外力があり、よく来院される方で多いのが、疲労が溜まり筋肉の柔軟性・弾力性が低下している状態で運動を続けている場合や、久しぶりに運動しようと走った瞬間に「ブチンッ」と痛める事です。
損傷の程度で治癒・スポーツ復帰の時期が異なりますが、軽症であれば1~2週間、重症の場合3~6か月近く完全復帰までかかる事さえあり、程度に関係なく初期治療が大切で、直後はRICE処置(アイシング等)が必然でいかに早く炎症を抑えるかがその後の回復スピードに影響していきますのでお早目の受診をおすすめ致します。
当院では、アイシングや超音波にて炎症を抑え、その後レーザーや電気治療・手技にて血行を良くして治療し必要であればテーピングやシーネ固定・松葉杖歩行をしていただく場合もあります。(早く治したい場合は鍼灸治療なども有効です)
ケガをしてからのケアも大切ですが、ケガをしないために予防する事が重要ですので、継続してスポーツをされる学生や選手は特にメンテナンスが必要だと思います。
エコー画像は腓腹筋内側頭 筋が損傷された場合、筋繊維に乱れが生じたり内出血で黒く映ります。

