2016.11.26
手の舟状骨骨折(Scaphoid Fx)について
今回は橈骨下端骨折(詳しくはこちらをクリック)程は多くないですが、手根骨骨折の中で最も頻度が高い骨折である舟状骨骨折についてご説明させていただきます。 この舟状骨骨折のポイントとしては、骨折が見逃されやすく部位によっては骨のくっ付きが悪く、不適切な治療により偽関節(ぎかんせつ)に陥る場合がある事です。 舟状骨はその名の通り「船」のような形をしており、ちょうど手首の関節付近・親指側に位置し他の手根骨とくっついているため関節軟骨で覆われている部分が多く血液供給は、軟骨に覆われていない遠位(親指先側)から受けています。 受傷機転は、転倒・転落などにより手をついて受傷することで、どちらかというと手首が親指側に向いた状態(橈屈位)で手を付くとこの骨が周りの骨に挟まれて骨折する場合があります。
症状としては、snuff box(嗅ぎタバコ窩)という親指の付け根のくぼみの部分に一致した圧痛・自発痛を認め、手関節の運動痛(特に背屈・橈屈)(手首を起こす・親指側に曲げる運動)があり、皮下出血(内出血)や腫脹は手首から親指付近を中心にみられ、握手するような姿勢をとると痛みが増強されます。
最初にお伝えしたポイントの中で骨のくっ付きが悪い(治りが遅い)・偽関節に陥るとありましたが、その理由がこの血液供給(栄養血管)の悪さが原因とされており、舟状骨の折れる(骨折線の入る)場所が血液供給の乏しい所ほど治りが遅く骨癒合に時間を要し、最終的に偽関節(骨が癒合せず元々は関節でなかった場所があたかも関節のようになってしまうこと)に陥る場合があります。(関節軟骨で覆われている部分が多いと仮骨形成に不利という事も理由であります) 要するに折れると悪条件がそろっていて大変な骨という事です その中でも特に治りが悪い場所とされているのが近位1/3部(指先側ではなく腕側)で、なぜかというとここの部分は血液が遠位(末梢)から流入するために修復に必要なだけの十分な栄養が届きづらいためです。
もう一つのポイントとなる見逃される・見落としが多い理由は、レントゲン上で発見できない事があるからです。レントゲン撮影の際、基本はAP (正面像) Lat(側面像)の2方向で撮影される事が一般的ですが舟状骨骨折の場合はその2方向だけでは骨折線が分かりづらく骨折を見落としてしまうケースもあります。ですのでケガの様子から舟状骨骨折が疑われる場合は4方向(斜位・逆斜位像)撮影する必要があります。また、骨折の初期にはレントゲン上には写らない事があり、2~3週間後に再度撮影すると骨折線が写る場合もありますので、注意が必要です。 早期に判断するにはMRIであれば初期の段階でも骨折線が写りますので有効です。
このような事からレントゲンを撮っても異常なしとされ「捻挫」と判断され見落とされてしまい、後に後遺症として辛い思いをされる方もいらっしゃいます。
上記の様な理由から舟状骨の骨折は難治性の場合もあり手の外科専門医のところに受診頂く場合もあります。
転んで手をついた際に、手首周辺が腫れていたり握手をするような動き・拳を握るような痛みがある際はお早目に当院へ受診下さい。
次回は舟状骨骨折の固定方法や治療について載せさせて頂きます。
手の舟状骨骨折以外にも肩こり・慢性腰痛・膝の痛み・スポーツ障害・ケガ・交通事故後の痛み・むち打ち損傷・各関節の拘縮(骨折後)等 身体の痛み・悩みがあれば当院へお気軽にご相談下さい。
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