離断性骨軟骨炎というケガをご存知ですか?

野球をやっている選手・経験者であれば名前くらいは聞いたことがある方もいると思います。いわゆる、『野球肘』というものです。
野球肘は大きく3つに分類され、内側型・外側型・後方型がありその中の外側型が上腕骨小頭障害というもので、その関節軟骨が剥がれ落ち関節遊離体となる。これを『離断性骨軟骨炎』(以下OCD)といいます。
外側型

外側型は、小学校高学年~中学校低学年に好発し、発見されるのが遅く重症化することもあり最終的には関節鼠という遊離体になると手術で取り除かなくてはいけなくなる事もあるケガです。したがって一番重要なのは『早期発見』です。
投球phaseでいうと、後期コッキング期~加速期(acceleration)~フォロースルー期(follow-through)に起こることが多いとされています。

臨床症状としては、初期の頃は投球時の肘外側部分の違和感・引っかかり感を感じはじめその後、運動痛や圧痛(押されると痛い)が出始め、肘関節の可動域制限(曲げれない・伸ばせない)が見られます。
見浪によるX線分類等が有名ですが、初期の段階ではレントゲンには写し出されない事が多く、レントゲンで発見された時には、すでに進行期となっており発見が遅れ予後にも影響が出てくる事が懸念されています。
MRIでは早期発見ができますが、費用面や時間的な事を考えても簡単にとはいえないと思います。
当院では、エコー(超音波観察装置)を用いる事で、早期発見はもちろんですが簡易的にチェックをする事でケガを未然に防げるように心がけております。
野球現場での肘のチェックなどもご依頼いただく事が多く、何かあればご相談ください。
エコー画像は正常な肘です。症状が進行すると丸い輪郭部分に角ができたり、ボコボコしてきます。



