今回は鎖骨骨折についてご説明させて頂きます。
今回の患者様は自転車にて転倒し肩部を直接地面にぶつけたとの事でした。いつも同じことですが受傷機転(ケガをした体勢)を聞く事でおおよそどの箇所が損傷されてるか推測がつきます。今回のケースで考えられるとしたら鎖骨外端部骨折の他、肩鎖関節脱臼・上腕骨近位端骨折(大結節部等)・肩甲骨骨折などを疑います。もちろん骨折や脱臼の場合、腫れ以外にも皮下出血が広範囲にみられる事が多いため外観上も骨折しているか判断する際に重要となります。(ちなみに肩ではなく手をついた場合は手首の骨折や肘の骨折・脱臼・靭帯断裂、肩の骨折・脱臼等も考えられます)
問診後、視診に移ります。左右見比べ骨が突出している箇所はなかったですが、肩部に腫れがあり腕の方までムラサキ色に皮下出血しておりました。その後、触診に移ります。圧痛(押されての痛み)は鎖骨の外側付近にあり鎖骨外端部骨折か肩鎖関節脱臼が疑われました。
肩鎖関節脱臼の場合ピアノキーサインといい鎖骨を上から押すとピアノの鍵盤を押した時の様に鎖骨が沈みますがそういった徴候はみられませんでしたので鎖骨外端部骨折の疑いがより強まりました。
エコーで確認してみると健側とは明らかに違う骨の形状をしており段差がみられたため近隣の医療機関へご紹介させて頂きました。
鎖骨は呼吸にも関係しており腕を挙げる際も動くため完全に動かない様固定することが困難ですが他の骨に比べ癒合(治り)は早い方だといわれております。固定方法は一般的には鎖骨バンド・8の字バンド等といわれる専用のバンドで固定します(胸を張るように固定)(初期はバンド+三角巾)
固定期間は4週~6週前後で骨のくっ付き(癒合)具合をみて徐々に外していき、同時に腕を挙げる訓練を開始していきます。(鎖骨でも折れた場所により治りが早いところと遅いところがあります)
当院では少しでも早く癒合(くっ付く)する様に超音波治療等特殊電気治療や鍼灸治療を行っております。
骨折や骨折後のリハビリでお困りの方はお気軽にご相談下さい。


